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    ベルリン国際映画祭2018

    日本公開は「?」…でも、印象に残った作品

    • 「リアル・エステート」© Pierre Bjork 
      「リアル・エステート」© Pierre Bjork 
    • 「ピッグ」
      「ピッグ」

     ベルリン国際映画祭は24日(現地時間)、閉幕しました。最高賞の金熊賞を争うコンペティション部門を中心に10日間、取材してきましたが、受賞を逃した中にも印象的な作品はありました。日本語字幕でもう一度見たい、けれど日本公開されるか分からないという作品を、幾つかご紹介いたしましょう。

     衝撃的だったのは、スウェーデンの今を描く「リアル・エステート」。ストックホルムのアパートを相続した老年の女性が、そこに住む不法滞在者と対決します。マシンガンをぶっ放す、過激でファンキーな女性。不快な音楽に加え、老体を見せつけるセックスシーンは露悪的で、親しみやすい映画ではありませんが、何だかパワーがあるのです。でも公開は難しいかなぁ。

     イラン映画「ピッグ」では、同国のイメージが一変しました。SNSが浸透し、余暇はテニスを楽しむなど、意外に西洋化されているんです。有名監督を狙う殺人事件が続く中、主人公の中年監督は「なぜ自分は殺されないのか」と訴えます。意外な展開で、今回、最も笑えた作品でした。

     英語字幕を十分に理解できませんでしたが、何だか面白そうなのが、仏マルセイユを舞台にした「トランジット」です。第2次大戦の頃と現在を行き来しつつ、難民問題を描くドラマですが、話が複雑に入り組んでいます。ミステリーの要素もあり、雰囲気もいい。現地での評判も良かったのに、受賞を逃したのは不思議です。これは、公開されるかもしれませんね。

     さて問題作、フィリピンの鬼才、ラブ・ディアス監督の「シーズン・オブ・ザ・デビル」です。4時間近い大作で、しかも全編、セリフが歌。踊りのないミュージカルといった作品です。軍事政権下の民兵の暴虐が描かれており、興味深い内容です。4時間はきついですが、字幕付きでぜひ、もう一度見たいです。

     金熊賞を獲得した、ルーマニア人女性監督、アディナ・ピンティリエの「タッチ・ミー・ノット」は、心と体の関係に斬り込んだ意欲作でした。映像も美しいのですが、時に性描写が大胆です。局部もアップで出てきます。公開できますか? 配給会社さん、頑張って下さい。

     中途半端な恋愛ドラマ、ドタバタな西部劇、観念的な会話に終始する作品など、正直言って「これがコンペのレベル?」と首をかしげたくなる作品もありました。とはいえ、今回紹介した作品のように、多くは創意工夫に満ちていました。コンペティション部門に今回、日本作品は不在でしたが、次回は日本の傑作がベルリンに、そして金熊賞を獲得するよう願っています。(文化部 大木隆士)

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    2018年02月26日 15時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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