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松田優作の幻の作品、藤原竜也で映画化

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「現代にしばられないスケールを感じる藤原(右)でスター映画を目指したい」と語る阪本順治監督(左)

次元超えた「青春活劇」

 阪本順治監督が藤原竜也主演で映画化する「カメレオン」の製作が進んでいる。脚本は、今なお人気の衰えない俳優・松田優作のために書かれた30年前の幻の作品。往年のスター映画の再現に挑む阪本監督と、脚本家の丸山昇一にロケ現場で意気込みを聞いた。(津久井美奈)

 埼玉県戸田市の廃工場。藤原ら若手俳優と、加藤治子、谷啓、犬塚弘らベテラン俳優が大テーブルを囲み、戯れる場面が撮影されていた。撮影を感慨深そうに丸山が見つめる。

 元旅回り一座の老人たちと廃工場で暮らす伍郎(藤原)と悪仲間が、政府要人の拉致現場を目撃。えたいのしれない組織に仲間を殺され、伍郎が復讐に立ち上がる――丸山がデビュー前の1978年、松田主演「遊戯」シリーズ第2作「殺人遊戯」の代作に「カメレオン座の男」として48時間で書き上げた作品だ。要請したのは松田の育ての親の黒沢満プロデューサー。

 映画化はならなかったが、才能が認められた丸山は、テレビ「探偵物語」で脚本家デビュー。その翌年の「処刑遊戯」を始め、「野獣死すべし」「ア・ホーマンス」と、松田の主演作を次々に手がけた。

 「カメレオン座の男」はお蔵入りのままだったが、黒沢プロデューサーが、「かつての男性映画のおもしろさをよみがえらせたい」と昨年に映画化を提案。道具立てのみ現代風に手直し、監督に、男性映画に定評のある阪本監督を迎え、映画化することになった。

 デビュー前の作品復活に「面はゆいところもある」と語る丸山。「今どきありそうでない青春活劇。最後はアクションになるが、ドタバタあり、ラブロマンスありの娯楽作。B級映画といわれた、こうした作品が撮影所時代に多く作られ、映画を活性化してきた」と気概をにじませる。

 「松田のために書いたが、今や死語のスター映画を目指した作品。藤原は脚本を読みこみ、画面サイズにブローアップし、荒唐無けいな話も演じられる数少ない俳優。松田もこいつと組んでみたかったと思うのではないか」と期待する。

 一方の阪本監督は、「いろんな要素を含んだ毒気のある自由に興味を持った。扱ったことのないテイストで新鮮。30年前の若者の物言いを借りて、現実とは遊離したファンタジーの面白みを出したい」。さらに「この作品に適している俳優は、現代にしばられない人であること。そのスター性を藤原に感じるが、まだ無自覚なところがおもしろい。僕らがそれを見つけてやりたい」。

 見せ場となるのがアクションだ。「動きに色気と次元を超えた魅力を感じてもらえるか」と、人物造形に重きを置きながらも、「映画館の中でしか出会えない事件を起こしたい」と意気込む。公開は初夏。

2008年1月26日  読売新聞)
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