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「スター・トレック」監督のJ・J・エイブラムス カーク役のクリス・パイン

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エイブラムス監督(左)は「クリスはとても頭が良くて、ユーモアのセンスがある」、クリス・パインは「監督は演出からマーケティングまですべて同時進行で指揮できる」とほめあう=工藤菜穂撮影

原作精神を再構築

 40年以上にわたってファンの心をつかんできた宇宙航海記シリーズ「スター・トレック」。その“前史”を描いた同名の新作映画が公開中だ。宇宙船エンタープライズ号のカーク船長と、副長のミスター・スポックの若き日の物語。監督のJ・J・エイブラムスと、カーク役で主演したクリス・パインに聞いた。(恩田泰子)

 最初のテレビシリーズが米国で作られたのは1966年。日本でも「宇宙大作戦」という邦題で人気を集めた。以来、続編シリーズが次々と重ねられ、10本の劇場映画も作られた。

 「でも、続編第11作を作ったつもりはない」とエイブラムス監督。「これまでと違うと思ってもらえる新鮮さを大切にした」

 そのために、描かれていなかった“過去”に光を当て、カークとスポックの初航海を描いた。二人は、強大な敵の脅威と向き合いながら、互いを知り、信頼を深めていく。

 「色々なバージョンが重ねられ、色々なキャラクターが出てきたけれど、僕は原点にさかのぼって二人をよく知りたかった。スペクタクルやアクションも十分楽しんでもらえるはずだけれど、僕自身が一番心ひかれる要素は登場人物同士の心と心の結びつき」

 脚本家の一人は「スター・トレック」マニアだったが、監督自身はファンではなかった。「ファンがどう受け止めるか、不安がなかったわけじゃない。ただ、もしファンだったら、前例に縛られたかもしれない」

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クリス・パイン演じるカーク(中央)の初航海が描かれる

 製作総指揮を務めた「クローバーフィールド/HAKAISHA」を作った時、念頭にあったのは「ゴジラ」の世界。今回の監督作でも温故知新を試みた。「オリジナルの精神を、みずみずしい映画として再構築できるか。そういうことを大切に考えている」

 それは、ファンはもちろん、より幅広い観客の心をつかめる作品にするためでもあった。「人々の好みが細分化するにつれ、『あの作品はオタク向け』とか限定する傾向が出てきたけれど、もっと純粋に境目をとりはらって楽しめれば」

 日本の友人に連れられてアイドルグループ「AKB48」のステージを見に秋葉原に行き、その意を強くしたという。「特定のファンが集まると聞いていたけれど、ユニークなパフォーマンスは誰にとっても見る喜びを与えるものだと感じた」

 カークに抜てきされた新星クリス・パインは28歳。「オリジナルは見たけれど、僕の役割は物まねではなく新たな息吹を吹き込むことだと思って演じた」。続編が作られることになれば、さらに出演する契約だ。「この作品の成績次第だけれど、ぜひやりたい」と目を輝かせていた。

2009年6月5日  読売新聞)


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