40代、美魔女ブームに思う
先日、PON!の放送で「41歳の美魔女、体脂肪率は11%」(数字はうろ覚えだが、要は40代なのに奇跡的に低い体脂肪率ということ)について「同世代としてどう?」と聞かれた。
思わず「風邪とかひかないんですかねー」と、故郷のお母ちゃんのようなコメントをしてしまった私。しかし、40代女性の一人として、本音ではこの「美魔女ブーム」という現象に、少々うんざりしてきている。
別に美魔女さんを批判しようというわけではない。確かに彼女らはびっくりするほどきれいだし、あの人たちの美に対する熱意と努力は尊敬に値するとも思っている。
それに、幾つになってもきれいでいたいと思う気持ちは、女性なら皆同じ。私だって思いは同じで放っておけばむちむちついてくるぜい肉と戦うべく、多少のお金と時間はかけて、努力してみてはいる。
しかし、このブームは、少しばかり極端ではないだろうか。「刻まれたしわこそが美しい」的なきれいごとを言うつもりはないけれど、「20代にしか見えない」ことだけが40年以上生きてきた女にとっての最高の勲章なのだとしたら、ちょっと淋しくないか。さらに、ブームとしての美魔女を見ていると、被害妄想かもしれないが、「こんな方法があるのにやらないのは怠慢」「それで老いていくなら自己責任」と責められているような気すらしてしまうのだ。
美魔女世代は私と同じ40代の女性たち。大学時代は「女子大生ブーム」全盛期で、雑誌の「読者」が「私のワードローブ公開」で異様に裕福なお洋服やバッグを紹介しているのを見て、「普通の女子大生はブランドバックをこんなに所有しているものなのだろうか」「こんなシーン別にコート(高い!)を着替えないといけないのか」と、追いまくられ、わけもなく焦らされた世代でもある(少なくとも流行に踊らされがちな私は)。
その後、バブルが崩壊し、ワードローブ公開も海外旅行でのブランド三昧も消滅した。ホッとしていたら、今度は美魔女ブーム。洋服やバッグと違い、手をかけるのが自分の体というあたり、「自分への投資」みたいな哲学が関わってくるからさらにたちが悪い。
そもそも、誰でも必ず年をとるわけで、その絶対的に不変の法則にあまりに真っ正面から抗おうとすると、ろくなことがないような気がする。それに、「若く見えることが美しく、価値がある」という価値観を100%受け入れてしまったら、人生は絶望に向かっての旅になってしまうではないか。
まあ、そんなことを言っている私も、2年前に「魔女」が冠についた番組で、きれいに化けさせていただき、そのとき撮った写真を大切に持っているわけだから、あまり大きな事は言えない。というわけで、生ぬる〜く、でもちょっとだけこの美魔女ブームに疑問を呈しておきたい。
| プロフィール | |
|---|---|
|
鈴木美潮 すずき・みしお
読売新聞東京本社文化部記者
1989年入社。横浜支局を経て政治部。官邸、社会党、外務省などを担当後、Yomiuri Weekly編集部に。2002年から政治部で保守新党、自民党などを担当。美空ひばりと特撮ヒーローの熱狂的なマニア。
|
![]() |
- モノと断捨離と私 (5月18日)
- ラジオで「特撮三昧」 (5月11日)
- 全力で『平清盛』を擁護する (4月27日)
- 再び紙の辞書へ (4月20日)
- 学生時代の喫茶店 (4月13日)
- スタジオ変わって気分一新 (4月6日)
- 教科書に必要なものって………? (3月30日)
- 孤独死と孤立死 (3月23日)
- 震災1年、石巻で思ったこと (3月16日)
- 久しぶりのインフルエンザ (3月9日)












