ハウス新CMで音楽を担当するcapsuleに聞くcapsule(カプセル)
ところが、である。試写に招かれ、できあがったCMを観て胸が弾んだ。前シリーズで描かれているのが、かつてあった風景に郷愁を感じる「大人の目線」だとするなら、第2弾で描かれていたのは、雪が降ると外へ飛び出したくなり、夕暮れの時間が愛おしく帰りたくない「子どもの目線」だったからだ。 このCMの誕生のきっかけとなったのが、こしじまとしこと中田ヤスタカによるユニットcapsuleの音楽。百瀬監督は、彼らのCDを聴いたことで、一気にイメージが膨らみ、絵コンテを書き始めることができたという。capsuleの2人に聞いた。(依田謙一) ――依頼された経緯は。
――CM曲「レトロメモリー」のコンセプトは。 中田 歌詞については、以前から書きたいと思っていた設定。SFで、映画「猿の惑星」(1968年)に代表される「行って帰ってくる」というものです。CMのイメージと違うと思われるかも知れませんが、実は歌詞に具体的な物の名前を入れていません。「ほかほか」といっても、何が「ほかほか」なのか分からないようにしてある。ですから、解釈によってはもっと大きな世界として捉えることもできるんです。 ――「さよなら」という言葉が繰り返し登場しますが、CM界ではご法度だそうですね。 中田 ねぇ(笑)。まったく知りませんでした。幸運だったのは、僕たちの作っているものをハウス食品が尊重してくれたことですね。本当は入れてほしくなかったかも知れませんが、そういうことを言わずにいてくれたことで、よいCMになったんだと思っています。 ――ジブリと仕事をしてみて感じたことは。 中田 クオリティーに対するこだわりがすさまじい。途中で何度か映像を見せてもらった際、こちらはもう完成だと思っていても、ジブリさんは全然納得していないということがしばしばありました。たとえば、「雪の質感が悪い」というようなことを話されているんですが、こっちは「そうかなぁ」なんて思っているわけです。でも、次にできあがったものを見ると、確かに違うんですね。 ――ジブリ作品はご覧になっていますか。
――CMの「ソリ遊び編」と「道草編」ではどちらが好きですか。 こしじま 「ソリ遊び編」です。雪の景色がとてもきれいで。あと、どちらのバージョンにも言えることですが、一度観ただけでは追い切れない描写がたくさんあるので、何度も観たくなりますね。(次ページへ続く)
(2003年12月26日 読売新聞)
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