故郷への思い描く「茄子 アンダルシアの夏」高坂 希太郎(こうさか きたろう)さん
「千と千尋の神隠し」(2001年)などに作画監督として参加していた高坂希太郎が監督した「茄子 アンダルシアの夏」(7月26日公開)は、世界三大自転車レースのひとつであるスペインの「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を舞台にした47分の作品。レーサーである主人公ペペが、思い出を乗り越えながら故郷の地を走り抜ける。高坂監督に聞いた。(依田謙一) ――原作との出会いは。 高坂 「千と千尋」に作画監督として参加していた頃、宮崎駿監督に「読めっ」と渡されたのが、黒田硫黄さんの漫画「茄子」だったんです。自転車レースを扱った漫画は他にもありますが、黒田さんは、自転車レースの「クールなのに熱い」という面白さを描いていて、ひかれました。以前は、「自転車ものを作っても誰も観ないだろう」と思っていましたが、この作品なら皆が楽しめるはず、とアニメーション化を思い立ちました。 ――主人公の故郷の道路に書かれた「VENGA PePe」(行け! ペペ!)という文字が印象的です。
――スペインの風景を細かく描写されていますね。 高坂 アンダルシアを実際に訪れたことで、作品に厚みが増したと思います。自転車レースを観戦することもできましたし、土俵のように大きなフライパンでパエリヤを作る場面は、実際にクレーン車でフライパンを降ろすところを目撃したおかげで、生き生きとした場面になりました。 ――声優陣を選んだ基準は。
――すがすがしい映画で、仕事帰りのサラリーマンが観るのに最適では? 高坂 サラリーマンに限らず、たくさんの人に観てほしい作品です。生きていく上で辛い場面に遭遇することは誰でもありますが、そこで諦めずに「もう少し頑張ってみよう」と思ってもらえる助けになれば嬉しいですね。(次ページへ続く) (2003年7月14日 読売新聞)
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