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リトル・チルドレン

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「リトル・チルドレン」
2007年7月28日(土)より、Bunkamura ル・シネマ、シャンテ シネほか 全国順次公開
提供・配給:ムービー・アイ
© MMVI NEW LINE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 いきなり個人的な意見ですが、やっぱり私はケイト・ウィンスレットが大好きです。今回のお勧め「リトル・チルドレン」を見てつくづくそう思いました。

 この映画でウィンスレット演じる主人公は、自分の愛娘をまるで重荷のように扱っている女性です。大学院まで進んだ自分の学歴が自慢で、周りの専業主婦を見下しています。そして毎日のように、娘が昼寝をしている間に近所に住むブラッドという男と浮気をしています。こんな主役を買って出る彼女は、やはり他の女優とは何か違ったものを感じます。

 そして彼女の演技はまさにリアルです。これまでも「グッバイ・モロッコ」や「いつか晴れた日に」などでウィンスレットは、人間だれにもが持っている身勝手さ、愚かさにスポットライトを当てた演技を披露してくれました。彼女が演じるほとんどのキャラクターは頭が良くて一見まともな人間です。しかしそれゆえに、時として向こう見ずで、夢見がちな身勝手さをも秘めている人間でもありました。

 さて、今回彼女が演じるのはサラという女性です。ボストンの住宅街に引っ越してきたばかりで、近所の主婦たちとはなかなかなじめません。確かに英文学の修士号を持っている彼女には、「うちの子は大人ほど大きなウンチをするの」なんていった話で盛り上がる井戸端会議に加わる気などありません。しかも夫は、近頃インターネットのアダルトサイトにはまっており、結婚当初の情熱はすでに消え失せていました。

 こうした場合ハリウッド映画では、このサラのような女性は不運で哀れな対象として、そしてブラッドのような男は輝ける救世主のように描かれそうですが、この「リトル・チルドレン」はそうではありません。彼女が果たすべき責任はサラを決して逃しはしません。例えばある日、サラはインターネットを見ながら興奮している夫の様子を見てしまいます。彼女は「私たち、話し合った方がいいわね」と言っておきながら、結局何も話そうとはせず、ムッとして家を出ていきます。帰って来ても「疲れてるから」と話を拒みます。

 サラは映画に出てくるような悲劇のヒロインになることで、自分の身勝手さに免罪符を与えているようです。すべて夫が悪いのだとしたら、彼女は何の罪悪感も持たず浮気ができます。近所の主婦たちが本当に狭い世界に住む無能な人間ばかりなら、いつも娘のスナックを忘れるサラは、母としての良心の呵責に悩む必要もないでしょう。

 しかし問題は、彼女が周りの人間を見下すことで、無意識のうちに自分の責任を転嫁していること、有能な自分が努力して無能な彼らを理解しようとする必要はないと勝手に思い込んでいることにあるのです。大人としてその責任が果たせない、まさに「リトル・チルドレン」です。そして扱っているテーマも、彼女の演技もまさにリアルです。

 話は変わりますが、ご存知ですか、あの「タイタニック」コンビ、ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオが再び共演することが決まりました!「Revolutionary Road(革命の道)」という映画で、2008年末にアメリカで公開される予定です。

 この映画では、2人は1950年代のアメリカ人夫婦で、ウィンスレットは女優として成功できなかったことを悔しがっている妻。一方のディカプリオも自分の仕事に満足できない夫を演じているそうです。そんな2人が「ヨーロッパなら私たちの才能がちゃんと認められる」とフランスに移住することを決めるのですが、結局思い通りにはいかず、やがて2人は嫉妬と喧嘩の日々に陥っていきます。ウィンスレットならではの「リアルな女性」がもう1人期待できそうですね。さすがケイト!

この映画の英語

 この映画で成長すべきなのは、子供ではなく、大人たちです。そこで今回は grow を使った表現をご紹介しましょう。

grow out of

この表現は肉体的、そして精神的、両方の成長について使えます。例えば、子供はすぐ大きくなって服が着られなくなりますよね。母親が「数ヶ月前に買ったばかりなのに」と英語で言う場合、次のようになります。

I just got this a few months ago, and he's already grown out of it.
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成長して子供じみた行動から卒業するという場合ももちろんOKです。例えば、子供は同姓の親を敵視し、異性の親を独占しようとすることがよくありますね。そんな息子で悩んでいる友だちに「成長過程にはあること。大きくなったらしなくなるわよ」と英語で慰めるとしたら、

It's just a phase. I'm sure he'll grow out of it.
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grow out とだけ言うと、毛髪が伸びる、あるいは伸ばすという意味で使えます。例えば、「結婚式のために髪を伸ばした」は英語で次のように言います。

I grew my hair out for my wedding.
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grow into

このフレーズは逆に「成長して着れるようになる」ときに使えます。先日、私の甥のためにシャツを買いました。「大きすぎるかもしれないけど、すぐに大きくなって着れるようになる」と思って念のために大きめのものを選んだのです。英語では、

It might be too big, but he'll grow into it.
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grow apart

「成長して…から離れる、疎遠になる」という意味です。この場合 grow は必ずしも良くなる、成熟するという意味ではなく、「時間によって人が変化していく」場合にも使います。

友だちやカップルについて使われることが特に多くあります。例えば、仕事や子育てに追われる夫婦は2人のための時間も作らないと、気づかないうちに心が離れてしまう心配があります。

Couples grow apart if they don't spend time on their relationship.
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drift apart という表現もあります。流される、漂流する (drift) イメージから、「だんだん離れて行く」、「愛情が薄れていく」という意味です。例えば、「親しい友だち同士だったけど、ここ1年の間段々と会わなくなってしまった」を英語で言うと、

We've drifted apart over the last year.
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grow on

ある物や人に「次第に好意を抱くようになる」という意味です。植物が少しずつ地面に定着していくようなイメージです。

例えば、私が初めて映画「ムーラン・ルージュ」を見たとき、うるさくて浅い映画だと思いました。しかし、そのあと何度か見るうちに好きになりました。

I didn't like that movie at first, but it grew on me.
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growing pains

この表現は元々「成長期の手足の神経痛」という意味でしたが、今は会社などの「成長に伴うひずみ」、「産みの苦しみ」という意味でも使われるようになりました。

例えば、先日カナダの街カルガリーについての記事を読みました。このところ人口、特に若い人の数が急に増えているそうで、そのために学校は満杯状態で、住宅費も急騰しているそうです。英語で言うと、

Calgary's growing pains include crowded schools and soaring house prices.
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grow back

「成長して元の状態に戻る」という意味です。髪や爪についてよく使われます、例えば「爪を割った。早く伸びてほしいね」というのは、

I broke a nail. I hope it grows back quickly.
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2007年7月27日  読売新聞)
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