アヴリル・ラヴィーン公演
ピュア 10代の時のまま
昨年のオリコン洋楽アルバム売り上げランキングで、レディー・ガガの作品に続き、2位となったのは、このカナダ出身の女性歌手による「グッバイ・ララバイ」だった。
初アルバムの「レット・ゴー」で等身大の10代の心を歌い、世界中に鮮烈な印象を与えてから約10年。日本でもアヴリルの人気は衰えない。
この日の公演で、その理由が分かったような気がした。タンクトップ姿できびきびとかわいらしく動き回り、客席に向かって何度も呼びかける。ステージを下り、ファンに近づいてふれ合おうとする。ヒット曲「ワット・ザ・ヘル」では和太鼓のグループと一緒に演奏を披露する。とにかくサービス精神旺盛だ。
そして声には、若々しい張りがある。ノリノリのポップな曲でなくても、そのボーカルで、聴き手にパワーを与えてくれる。バックのミュージシャンも彼女の声に負けじと、小気味よい演奏を響かせた。
アヴリルはまだ27歳だが、離婚も経験し、「グッバイ・ララバイ」では、人生の苦みも歌っている。けれどそこには、疲れた感じはなく、懸命に生きているがゆえの苦しみという印象を残す。この日のラストは「自然体でいればいい」と歌う初アルバム収録曲の「コンプリケイテッド」だった。この歌がいまだにリアルに聞こえるのは、アヴリルのピュアな部分が、10代の時から変わっていないからだろう。(桜井学)
――4日、さいたまスーパーアリーナ。
(2012年2月16日 読売新聞)
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