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英人気バンド ミューズ…音楽的欲求に忠実に

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「型にはまらぬ僕らの音楽を、ごく自然に受け入れ、楽しんでくれる日本のファンに感謝を込めた」と話すマット・ベラミー(撮影・米田泰久)

「作風に枠設けたくなかった」

 英国の人気バンド、ミューズが公演のため来日した。クラシックの影響がにじむ独創的な作風が高く評価され、ライブでもスケール感のある音で会場を沸かせた。

 中心人物のマット・ベラミーに聞いた。(西田浩)

 12日の東京国際フォーラム。伸びやかな高音ボーカル、緩急鮮やかなギター、クラシック的な香りを演出するピアノを自在に操るベラミーの存在感は際立つ。クリス・ウォルステンホルム(ベース)とドミニク・ハワード(ドラムス)は歯切れのいいリズムをたたき出し、臨機応変にベラミーと掛け合う。その重厚なアンサンブルは、会場を埋めた5000人を陶酔の世界へといざなった。

 「ライブでも時に綱渡りして複数の役割をこなす。それで集中力を高め、曲の世界観に自分を同化させるのが僕のスタイルなんだ」

 新作「ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ」(ワーナー)も全英1位に輝くなど、早くも全世界で約200万枚を売り上げた。

 これまでは、「CDでもライブでの再現性を意識して制作していた」という。しかし、新作は、「スタジオ技術を存分に駆使して、自分たちの音楽的欲求に忠実な作品を作る」ことに徹した。

 「過去3枚のアルバム制作を通し、ライブで再現しにくい、アルバムのカラーに合わないなどの理由で、お蔵入りした曲がかなりの数に上っていた。それは、同時に、自分たちの作風に枠を設けていたということではないか、と思い始めたんだ」

 ダンス音楽的な乗りの「スーパーマッシヴ・ブラック・ホール」、神秘的な浮遊感に彩られた「ソルジャーズ・ポエム」など、新作はこれまでになく多彩な内容。ミューズならではの壮麗な楽曲による「シティ・オブ・ディリュージョン」も、電子音や管弦楽器を大胆に使い、これまで以上に色彩感に富ませている。

 1999年にデビュー。クラシック的な構築美と豪快なギター・サウンドを巧みに調和させた作風は、70年代のプログレッシブ・ロックに通じると評されることもある。

 「むしろクラシックそのものからの影響を強く受けていると思う。僕がピアノに向かうと、自然とラフマニノフやショパンのようなフレーズがわき出してくる。そんな僕が感じるロックをやると、こうなるんだ」

 現代ロック界では他に類を見ない個性は、2003年の3作目が世界的なヒットとなり、脚光を浴びた。

 「時流に迎合せず、自由な発想で音楽を作ってきたことが良かったのだろう。新作のツアーでは、南米や東南アジアなど、これまで行けなかった場所でも公演した。ファンに直接、音楽を届けられるようになったのがうれしい」

2007年3月29日  読売新聞)
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