木村カエラ 新作「+1」「素直な気持ち」を応援人気歌手の木村カエラが1年2か月ぶりのアルバム「+1」(コロムビア)を出した。「素直な気持ちって素晴らしい、という思いで作った」と語る新作は、聴き手への「応援歌」の色彩が強い作品となった。(桜井学) 前作「Scratch」発表後、本作にも収録されている、サウンドの傾向が異なるシングル曲を発表してきた。 「期待をいい意味で裏切りたいんです」。昨年秋発売の「Yellow」はハードなギターを聴かせるロック。そして2月に出した「Jasper」は、電気グルーヴの石野卓球が作曲した、おもちゃ箱をひっくり返したようなテクノポップだ。 表面的な彩りは多様で、意外性に富んでいるが、本人が詞に込めた思いはどこか共通している。たとえば昨年夏のシングル「Samantha(サマンサ)」。この曲は米国のホームドラマ「奥さまは魔女」の主人公への思いから生まれた。 「サマンサは、だんな様や周りの人のために、一生懸命いろんなことをするんだけど、よく失敗する。でもそこが愛らしい。周りの人もそれを分かっているんです」。歌詞では「サマンサのような 大きな人になりたいな」とつづる。 「1115」という曲では「間違いだらけの 最悪な君は 私にとっては 愛するべき人なんだ」と歌う。 「人間はダメであるのが当たり前だと思うようになった。そのダメさに、いとしさがあるんです。だから応援ソングのつもりです」 人間のダメな部分を受け入れ、励ましていきたい。 「以前はついつい完璧(かんぺき)を求めていたけれど、そうすると、頑固というか、つまらなくなりそうだな、と。何事も気の持ちよう。今はラクですよ」 CDデビューしたのが4年前。「日々生活する中で、自分自身の変わり方がアルバムに表現できている」。今は背伸びをせず、素のままの自分に向き合う。「平凡な毎日は素晴らしい」と言い切れる。 新作のジャケット写真も、これまでにないほど自然な表情の彼女が写っている。作り込まなくても、愛らしさとともに、トップ歌手の輝きが感じられる。前作は2週連続でオリコンチャートの1位を記録し、日本武道館公演も成功させた。 自身初のホールツアーも始まる。東京公演は7月9、10日、NHKホール。(電)03・5720・9999。 (2008年4月3日 読売新聞)
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