突然段ボールが新作
感覚伝える強い言葉
日本のロック界で30年以上にわたって活動している「突然段ボール」が、新作「D」(Pヴァイン)を出した。
ギターを軸にした、無駄をそぎ落としたサウンドに、ユニークな歌詞を乗せた。音の編集を、数々の先鋭的な作品で知られるジム・オルークが行っている。
ロックが元来持つ反抗精神や熱情にあふれている。ギター、ボーカルの蔦木俊二=写真右=は「実はみんな孤独だけど、絵空事でごまかしている。それを暴きたいし、ウソは嫌ですね」と語る。
「食物連鎖の 箱庭の中 どうせ借りてた 生命だ 返すさ」(もう学校には行かない)、「相反した世界だけが 喜びを導く」(丘の上から)。強い言葉で、多様なイメージがわき起こる歌詞が並ぶ。「ちゃかしている部分もある。説明文じゃないから、感覚が伝わればいい」
コンスタントに作品を発表してきたが、蔦木の兄の栄一が2003年に死去。蔦木が中心となり、バンドサウンドが前面に出てきた。「兄貴は実験的なこと、面白いことが好きだった。だからアイデア勝負でやっていた」と振り返る。長い活動歴を誇るが「物心ついた時からロックを聴いてたし、それしか頭にない」と音楽への思いは純粋だ。
04年に加入したギターの松浦徹=同左=は「今はアート性を前面に出すより、いい歌を作っていこうという気持ちが強い」。最初は聴き手としてバンドとかかわった、ドラムスの平野智美=同中央=も「一度ライブを見て理解できず、それが逆にひっかかった」と笑う。
15日には東京・渋谷O−nestで、ZAZEN BOYSの向井秀徳らと公演する。(電)03・5770・5199。
(2009年1月8日 読売新聞)
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