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新作 エレファントカシマシ、宮本浩次

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「恥ずかしい話ですけど、自分のアルバムを聴いて元気づけられたりする」と語る宮本=川口正峰撮影

「僕は歌係」表現者の誇り

 ロックバンド、エレファントカシマシが、新アルバム「昇れる太陽」(ユニバーサル)を29日に出す。「僕は歌係」という宮本浩次に、新作に込めた思いを聞いた。(田中誠)

 ヒットシングル「桜の花、舞い上がる道を」「新しい季節へキミと」などを収録。アルバムのテーマは「循環」という。

 「桜は春夏秋冬で表情を変え、一日には朝昼晩がある。そういう循環する感じが、最近すごく気に入っている」。夜は来るし、でもまた朝日が昇る。そんな思いを込めてタイトルは「昇れる太陽」とした。そこには、バンドの紆余曲折の音楽人生も重なる。

 1988年デビューの4人組。業界では一目置かれる存在だったが、契約を打ち切られる。ところが97年、テレビドラマの主題歌「今宵の月のように」が大ヒット。だが、浮き沈みは激しかった。

 「急に売れちゃったり、また売れなくなっちゃったり。自然や歌から、『循環』ということに気付かされたかもしれません」

 転機になったのは、現在のレコード会社に移籍して発表したシングル「俺たちの明日」。20歳代に熱く語り合った友人に、20年後、「どうだい、元気か、また頑張ろうぜ」と歌った。

 「ライブで歌っていて、お客さんに届いているという感覚があった。精いっぱい歌えば、俺たちの歌はちゃんと届く。そういう自信と確信を得た」と話す。

 新作もその路線を引き継ぎ、「輝きを失っている」同世代を励ます曲が目立つ。攻撃的だったり、内省的だったりした若い頃とは違い、歌には前向きなメッセージが込められている。

 「喜怒哀楽の感情を揺さぶる力が音楽にはあり、一生懸命生きている人の心にできたすき間を埋める力を、音楽は持っている。そこに表現者としての誇りを持っているんです」

 勝負に徹している棋士、野球選手、仕事に真剣に取り組んでいるマンションの管理人の姿に励まされるという。

 「すると僕は歌の係。だから、一生懸命歌う。普段は古本屋さんにどなられないかと立ち読みしながらびくびくしたりしてる42歳の男だけど、歌うことでみんなとつながり、時には輝きを共有できる」

 回り道をしながらたどり着いた境地を、髪をかき乱しながら、時に目を閉じながら、熱く語った。

2009年4月23日  読売新聞)
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