トリオデビュー40年記念 山下洋輔持ち味の破壊力再び日本ジャズ界を代表するピアニストの山下洋輔が、自身のトリオでデビューして40年の節目を迎えた。7月19日にトリオの歴史を集大成したライブ盤「BRILLIANT MOMENTS」(ジャムライス)を出すとともに、同日午後5時から東京・日比谷野外音楽堂で、歴代のメンバーが集結した記念公演を開く。(西田浩)
渡辺貞夫のバンドなどで修業時代を過ごした山下が、サックスの中村誠一、ドラマーの森山威男とともにトリオを結成したのが1969年。「本当はベース奏者もいたが、結成直後に就職が決まったと言って脱退し、3人でスタートしたんです」と笑う。「自分たちしかできない音楽」を旗印にリハーサルを繰り返した。 「スタンダードや自作曲など素材を用意し、試行錯誤を繰り返したが、うまくいかない。ある時、簡単な主旋律だけ決め、あとは本能の赴くままというフリー・ジャズの手法を試してみたら、これだ!って感じでした」 機関車の疾走を思わせるドラムス、野獣の叫びに似たサックス、縦横無尽に乱舞するピアノ。各楽器はアンサンブルを無視して闘い始め、最後は大爆発。トリオは次第に人気を上げた。 「学生運動やアングラ文化に象徴されるように、権威や既成概念をぶち壊すことを尊んだ時代の空気も後押ししてくれたと思う」 中村が脱退すると、以前からトリオのステージに乱入していた坂田明が加わるなど、メンバーが欠けると、「我こそは」という奏者がやってくる。 「自由で破壊力満点というトリオの持ち味の中で、メンバーがそれぞれの個性を発揮するという形で、バンドの音楽が普遍化されていった」 74年を手始めにたびたび欧州ツアーを行うなど、国際的にも活躍。83年に惜しまれながら解散したのは、「ジャズの枠組みに縛られず、様々な分野の音楽家と共演し、腕試しをしたくなった」からだ。以後、ポップス畑の矢野顕子、和太鼓の鼓童、オーケストラなどとも共演。幅広い音楽を生み出してきた。 ライブ盤は「バトル・ロイヤル」など、4曲中2曲が未発表音源。また記念公演は亡くなったサックス奏者の武田和命以外の全メンバーが集う。「それぞれの時期のトリオの味わいを堪能してもらい、最後は全員でジャム・セッション。体力の限界まで演奏するので、終演時間は僕も見当がつかない。覚悟して聴きに来てほしい」と語った。(電)03・5453・8899。 (2009年6月11日 読売新聞)
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