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宮本亜門演出 中国舞台の音楽劇「トゥーランドット」

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新劇場について、「1300席規模とは思えないほど舞台が近くて使いやすい」と語る(撮影・吉岡毅)

勇者の愛 女帝の心氷解

 東京・赤坂に14日、新劇場「赤坂ACT(アクト)シアター」が開場する。そのオープニングを飾るのは、宮本亜門演出の音楽劇「トゥーランドット」(27日〜4月27日)。宮本は「オペラ、芝居、ミュージカルというジャンルを超えた壮大で祝祭的な作品を」と意気込んでいる。(坂成美保)

赤坂ACT 初興行飾る

 TBSが建設、運営する新劇場は、地下鉄赤坂駅に直結し、客席数は1324。ミュージカルから舞踊、せりふ劇、歌舞伎まで幅広く対応できる。

 宮本は、約10年前から「中国を舞台にしたミュージカルをつくりたい」との思いを温めてきた。暗黙のうちに互いの感情を了解し合う日本人に比べて、中国人の感情表現はストレートで欧米人に近い。「音楽に感情を乗せやすい」と考えたからだ。

 だからこそ、TBSのプロデューサーから「新劇場の初興行に、中国を舞台にしたプッチーニのオペラ『トゥーランドット』を題材にした音楽劇を」との依頼を受けた時、「作曲家の才能がすべて詰め込まれ、到達した大きな世界観を示す遺作。ぜひ演出してみたい」と快諾した。

 黄金の都に君臨する女帝トゥーランドット(アーメイ)は、訪れる求婚者に三つの謎解きを突き付け、応えられない男たちを、ワン将軍(中村獅童)に処刑させていた。ある日、東方から訪れた勇者カラフ(岸谷五朗)と出会い、女帝の氷のような心は解け始める。

 先月、ワシントンDCのケネディセンターで、水上勉の童話を原作にしたミュージカル「Up In The Air」の公演を終えたばかり。仏教的な無常観に貫かれ、生と死を描き出したこの作品は、米国の観客に衝撃を与えた。

 「西欧の合理主義やキリスト教的な発想とは異なるアジア独自の精神性を表現する試みは、『トゥーランドット』でも同じです」

 もう一つの主題は、トゥーランドットとカラフの「愛」。「統治者としての義務に縛られた女帝が、カラフという心を開ける相手に出会い、女として、人間としての自己に目覚めていく。自立した男女が愛し合う姿は現代人の共感を呼ぶはず」と確信している。

 久石譲が手がけた約30曲に及ぶ楽曲は「親しみやすく、一度聞いたら、脳裏に焼き付く旋律」。ポップスに歌舞伎、大衆演劇……。各界で活躍する出演者が集まったけいこ場は「まるで異業種交流会のような雰囲気」という。

 「歌やダンス、演技。それぞれ得意分野が違うからこそ、刺激し合って、新しい何かを生み出してもらえれば」と期待をかける。

 共演は、早乙女太一、安倍なつみ、北村有起哉、小林勝也。衣装はワダエミ、脚本は鈴木勝秀、美術は松井るみ。(電)03・3234・9999。

2008年3月12日  読売新聞)
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