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「私生活」寺島しのぶ

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「演出家に『内野君とは仲悪いんですけど』と言ったら、『ぜひ君に出て欲しい』と言われた」と笑う寺島しのぶ=杉本昌大撮影

「犬猿」同期と充実の競演

 愛しながらも、ぶつかり合う男女をコミカルに描く喜劇「私生活」が、3日から31日まで、東京・日比谷のシアタークリエで上演される。寺島しのぶが、文学座時代の同期、内野聖陽と初共演する。(多葉田聡)

 「内野君とは犬猿の仲なので、この役にぴったりだと思う」

 記者会見で寺島が笑わせた通り、元夫婦のアマンダ(寺島)とエリオット(内野)はそれぞれの再婚相手(橋本じゅん、中嶋朋子)と別れ、よりを戻すが、再び衝突を繰り返す。英国のノエル・カワードが1930年に書いた戯曲は、結婚や恋愛についての本音を、当時としては大胆かつストレートに描いた喜劇だ。

 寺島は「端から見たらちっぽけなことで真剣にけんかする男女の関係が、とても緻密(ちみつ)に書かれている。その掛け合いを、うまく表現できたら」と話す。

 寺島と内野は1992年、文学座研究所に入った同期生。96年に寺島が退団した後、それぞれ舞台や映画、テレビで活躍してきたが、意外にも共演は初めてだ。

 「きっとどこかで出会うなと思っていましたが、この役で来るか、という感じ。でも、それぞれの道でどちらかが駄目になっていたら、ここで会えなかった。お互い一生懸命やってきた証拠」と初共演を喜ぶ。

 「犬猿の仲」は大げさだが、互いの舞台などを見て、忌憚(きたん)のない意見を言い合ってきたという。

 「研究所では恋人役などで一緒に芝居をすることが多かった。お互いが劇団内で生き残るため、相手に『ああだ、こうだ』と言ったことも。『それは違う』と言ってくれる同志がいるのはありがたいですね」

 そうした内野とのプライベートな関係が、今回の舞台に生かせれば、と考えている。

 「互いを尊敬しつつ、公私が混ざり合ってぶつかっていけたら、いい芝居になると思う。芝居にけちをつけ、罵倒(ばとう)し合っていた時を思い出して。見ていただければ、二人がどんなに近しいか、分かると思います」

 舞台出演は昨年夏の「ヴェニスの商人」以来、久しぶり。同年、フランス人男性と結婚し、仕事に対する考え方も変わったという。

 「年3本ぐらい舞台に出た時期もあったが、仕事へのプレッシャーがなくなり、無駄にガツガツしなくなった。休む時間を充実して過ごすことで、次の仕事も楽しくできる。楽になりましたね」

 “私生活”の充実ぶりが演技にも反映されそうだ。演出はジョン・ケアード。(電)03・3201・7777。

2008年10月1日  読売新聞)
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