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「広島・昭和20年8月6日」 29日TBS系

原爆ドーム復元 破壊される前の姿 実物大で

 広島へ原爆が投下されるまでの20日間の、ある家族の生き方を描いたドラマ「広島・昭和20年8月6日」が、29日午後9時からTBS系で放送される。

 破壊される前の広島県産業奨励館(現在の原爆ドーム)を実物大で再現したほか、当時の広島の街並みも復元した。(塩崎淳一郎)

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実物大に再現された、原爆が投下される前の広島県産業奨励館(現在の原爆ドーム)

「かける思い 半端じゃない」 松たか子ら熱演

 広島市内に住む矢島家4人の物語。父母を戦争や病気で亡くした志のぶ(松たか子)は、矢島家の長女として小さな旅館を営みながら、二女(加藤あい)、三女(長沢まさみ)、末弟(冨浦智嗣)と暮らしていた。さまざまな不幸が押し寄せる中、日常のささやかな幸せを糧に生きていた。そして、運命の8月6日を迎える。

 セットの制作は、大がかりなものとなった。横浜市青葉区にあるTBS緑山スタジオの屋外スペースに、原爆が落とされる前の、高さ25メートル、両翼45メートルの広島県産業奨励館を忠実に再現した。淡い緑色のドームが美しく光り、近づくと、その大きさに圧倒される。

 6月末から基礎工事を始め、7月末に完成した。正面と横を石造りに似せたベニヤ板で覆い、内部の骨組みは頑丈な鉄骨で造った。

 同奨励館は、1915年、チェコ人の建築家、ヤン・レツルの設計で広島県の物産品の販売促進を図る目的で建てられた。奨励館の南東上空で原子爆弾が炸裂(さくれつ)し、ドームの鉄骨を残す無残な姿になったことから、原爆ドームと呼ばれるようになった。現在、世界遺産にも登録されている。

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再現された街並みの後方に、広島県産業奨励館のドームが見える。右から松たか子、長沢まさみ、加藤あい

 奨励館や街並みの再現を担当したのは、TBSの美術スタッフ・永田周太郎さん(34)。永田さん自身、広島県の出身だ。「今や、奨励館のころのこの建物を知っている人はわずか。写真も白黒しか残っておらず、ドームの色を再現するのに苦労した。詳細な設計図を求め、母校の広島大学の協力を仰いで設計した」と語る。

 市街地のセットにも力を入れ、20棟の建物を復元した。病院や旅館、米屋、寺院……。戦意高揚を目的とするポスターも復元して張り、戦時下の雰囲気を醸し出すようにした。

 「再現するうちに、どこか反戦運動をしているような気持ちになった。戦争の記憶は風化して、8月6日も忘れられそうになっている。戦後60年のタイミングで、ドームなどを造れてよかったと思う」

 目で見て、触れられる巨大セットは、はやりのCG(コンピューターグラフィックス)と比べ、出演者の演技にも好影響を与えたようだ。

 主演の松は、「ドラマの制作にかける思いが中途半端ではない、ということが伝わってきた。本物の奨励館を記憶する人は減る一方ですが、今回、ドラマのセットであっても、実物に近い奨励館が再現できてよかったと思う」と語る。

 加藤も、「迫力があり、当時にタイムスリップしているような感覚になった。撮影前、広島で原爆ドームを見ていただけに、考えさせられることが多かった」と振り返っていた。

2005年8月16日  読売新聞)
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