ATG作品群に再評価の光日本映画chで毎週紹介 六本木では25作品上映CS放送の日本映画専門チャンネルは、国内外の秀作映画を世に送り出してきたATG(日本アート・シアター・ギルド)の作品を紹介する「ATG・アーカイヴ」(木曜後10・00)を先月から始めた。映画館で特集上映が組まれるなど、再評価されるATG作品の魅力と放送概要を伝える。(旗本浩二) ATGは、非商業的な芸術映画や、大手映画会社を離れた監督たちによる作品製作、公開の場として1961年に発足した映画会社。62年の「尼僧ヨアンナ」を手始めに、洋邦画を問わず秀作を上映。さらに独立プロ作品の支援や若手監督の育成に務め、日本映画界に大きな影響を与えた。 日本映画専門チャンネルでは、再認識されつつあるこうした作品群に光を当てようと「ATG・アーカイヴ」をスタートさせた。 同局編成部の沢尚志マネジャーは「ATG作品には、かなり先鋭的なものもあるが、単にニッチなだけでなく、ある世代全体に影響を与えた」と高く評価する。「同時代で作品を見た団塊の世代はもちろん、邦画史の重要な一ページとして若い映画ファンに見てほしい。地上波で編成するのは難しいだけに、これらの作品を放送メディアに乗せるのは、専門チャンネルの使命」と話す。 同チャンネルでは、来月15日まで、独立プロとして活躍した新藤兼人監督の作品を放送。「讃歌(さんか)」(18日)は、谷崎潤一郎の「春琴抄」原作の文芸作品。「絞殺」(11月8日)は、実際に起こった家庭内暴力事件を下敷きにした問題作だ。 その後、大阪でケンカに明け暮れる少年たち(島田紳助、松本竜介ほか)を描いた井筒和幸監督「ガキ帝国」(同22日)、邪馬台国の卑弥呼(岩下志麻)の人生を通して日本人の根源的な美意識を描く篠田正浩監督「卑弥呼」(同29日)を放送する。 いずれも元のフィルムについた傷を修復、ゴミを除去してハイビジョンで放送される。邦画好き必見の企画と言えそうだ。 ◎
東京・六本木のシネマート六本木では、11月3日から30日まで「東京 六本木 ATG 1961〜2007ATGセレクション」を企画している。時代劇、青春、アバンギャルドなどの五つの枠に分類。東陽一監督「サード」、市川崑監督「股旅(またたび)」、大森一樹監督「ヒポクラテスたち」など、計25作品を上映する。 ジャーナリストの田原総一朗さんが監督・脚本した「あらかじめ失われた恋人たちよ」といった貴重な作品も盛りだくさん。期間中、田原さんらゲストによるトークショーも行われる。 (2007年10月18日 読売新聞)
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