現在位置は
です

TV

本文です

田村が主演、妻役に黒木 三島の「鹿鳴館」ドラマ化

文明開化期 渦巻く愛憎描く テレ朝 1月5日

 三島由紀夫の傑作戯曲「鹿鳴館」をテレビ朝日がドラマ化、田村正和主演で1月5日午後9時から放送される。文明開化の明治時代、諸外国と対等に渡り合うための「装置」として誕生した、きらびやかな西欧化のシンボルを舞台に、夫婦、親子の愛憎渦巻く人間模様が描かれる。(森重達裕)

 原作は、三島が杉村春子にあてて書いたとされる舞台用の戯曲作品で、1986年には市川崑監督により映画化もされた。

 今回は、約20年前にも名取裕子主演で鹿鳴館をテーマにしたドラマを手がけた五十嵐文郎チーフプロデューサー(CP)が、「三島作品で男性の視点から鹿鳴館を描いてみたい」と主演を田村に依頼、同局の開局50周年記念ドラマとして制作されることになった。

 くしくも、ドラマ化脚本を担当した鎌田敏夫と藤田明二監督は、20年前に田村が主演した「ニューヨーク恋物語」(フジテレビ系)のコンビ。「田村さんを良く知る鎌田さんに、田村さんのキャラクターに沿うよう、原作にはない多くのプロット(物語の筋)を加えて書いてもらった」(五十嵐CP)という。

 そして、田村のたっての希望で、何度も夫婦役で共演した黒木瞳が妻の朝子役に決まった。ほかにも、ベテランの柴田恭兵、橋爪功、高畑淳子から若手の石原さとみ、松田翔太まで「普段ではめったにないことだが、運も味方して出演依頼を断られることが全くなく、ほぼ100%、理想のキャスティングができた」と藤本一彦プロデューサーは満足そうに話す。

 鹿鳴館のシーンでは、同じ設計者によって建てられた清泉女子大学(東京都品川区)の本館「旧島津邸」を外観のロケ地に選び、周辺の風景にはコンピューターグラフィックス(CG)を施して当時の雰囲気を色濃く醸し出した。

 影山と朝子がワルツを踊るクライマックスの舞踏会シーンでは、スタジオ内にシャンデリアから調度品までそろえ約150平方メートルのダンスホールを丸ごと作り上げた。ダンスの心得のある外国人40人を含む計100人のエキストラには、みな当時のドレスや軍服などの衣装を着せて撮影した。

 五十嵐、藤本両プロデューサーは、11月に放送されたビートたけし主演の「松本清張 点と線」を成功させたコンビ。「豪華な配役も、時代をリアルに再現したシーンも、決して『点と線』に負けていない」と2人は胸を張る。

 影山を演じた田村の役への思い入れも強く、「明治時代の大物はみんなひげを生やしていたから」と、自前のひげを約3か月間伸ばして撮影に臨んだ。五十嵐CPは「男の嫉妬(しっと)をメラメラ燃やすなど、ワルの魅力が存分に出た田村さんは、おそらく初めてでは。普段、ドラマを見ていない大人にも楽しんでもらえる、本物志向の作品になった」と話している。

あらすじ

 文明開化の花咲く明治時代の社交界。鹿鳴館では、外務卿(きょう)、影山伯爵(田村正和)主催の大舞踏会が催されようとしていた。

 元は芸妓(げいぎ)だった影山夫人、朝子(黒木瞳)は、親しい華族令嬢の顕子(石原さとみ)の恋の仲立ちを頼まれる。その相手は、舞踏会襲撃を計画している反政府派リーダー、清原永之輔(柴田恭兵)の息子、久雄(松田翔太)だった。朝子はかつて永之輔と恋仲にあり、久雄は朝子が産んだ子だった。父に恨みを抱く久雄は、永之輔を暗殺しようと企て、今も永之輔を愛する朝子は、永之輔の命を守るべく奔走。だが、久雄に永之輔暗殺をそそのかしていたのは、夫の影山だったことを朝子は知る。

2007年12月13日  読売新聞)
現在位置は
です