シニア向けに特化 新CS局4月「チャンネル銀河」 NHKの過去の番組を軸に「今のテレビには見たい番組がない!!」と憤るシニア世代の不満を解消しようと、新たなチャンネルが今年4月、CS放送に誕生する。その名も「チャンネル銀河」。編成の3分の1を、高齢層が好むNHKの番組で埋めるという大胆な方針が、視聴者にどう受け入れられるかが注目される。(旗本浩二) 「ケーブルテレビ(CATV)視聴者の50%以上が50代より上。これらの年齢層をどう獲得するかが専門局の課題だ」。4月1日に開局するチャンネル銀河の鹿野菊次郎社長は力説する。 地上波民放は、視聴料なしで見られることから半世紀以上親しまれてきたが、最近は視聴率競争が激化、若者世代に受けるバラエティー番組や連続ドラマ中心の編成に比重を移してきている。置き去りにされたシニア世代にとって、NHK以外に見るべきチャンネルが少ないのが現状で、時代劇専門チャンネルなど、CATVやスカイパーフェクTVの専門局に流れる視聴者が増えている。 そこで、思いきってこの世代に特化した番組をかき集めようというのがチャンネル銀河だ。CS放送界では、専門局と言いながら万人受けする総合編成を取り入れる傾向が強まっており、一つの年齢層のみを狙った編成は珍しい。 「現在のシニアは、テレビが始まった時期にどっぷりつかった本当の意味でのテレビ世代。優れた番組は時代を超えて支持される。あの時代の番組を分かりやすく復活させることで商売になる」。こう語る鹿野社長が目を付けたのが、NHKの過去の番組だった。 「ドラマでもドキュメンタリーでも、時代と格闘した力強さがあり、それが人の心を打った」(鹿野社長)という番組の数々を1日8時間にわたり編成。手始めに子会社のNHKエンタープライズから、来年度分として60番組を購入した。 一押しは、三波伸介ら「てんぷくトリオ」が活躍した「お笑いオンステージ」。さらにテレビ黎明(れいめい)期の人気人形劇をリメークした1991年の「ひょっこりひょうたん島 海賊の巻」も放送される。また「NHK特集」や「ビッグショー」、連続ドラマなど多彩に並べ、大河ドラマでは2002年の「利家とまつ〜加賀百万石物語」が登場する。 NHK以外では「鬼警部アイアンサイド」などの海外ドラマやドキュメンタリーを放送。自主制作の郷土料理紹介番組もある。まさに大人向けの編成で、年末までに270万世帯の加入を目指す。 NHKとしては、番組が有効活用でき、子会社を通じて副次収入を獲得できるメリットがある。エンタープライズの三枝武社長も「ご要望には応えていく」と乗り気だが、これまで番組を購入してきた既存の専門局は危機意識をあらわにしている。 同じく高齢者の支持が高い時代劇専門チャンネルでは、銀河開局前の3月20日から「おんな太閤記」、4月17日からは「風と雲と虹と」をそれぞれ編成。大河ドラマの人気作品を連打し、ライバル新チャンネルの機先を制する狙いだ。 番組争奪戦が始まると、販売価格が上昇する恐れもある。NHKが番組販売戦略をどう展開するかも気になるところだ。 (2008年2月28日 読売新聞)
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