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テレ朝系「必殺仕事人2012」に主演…東山紀之

「藤田まことさん手本に」

 世にのさばる巨悪を、人知れず葬り去る。闇の集団・仕事人たちが活躍するドラマのスペシャル(19日午後9時)で、一味の中心、同心の渡辺小五郎を演じる。

 前回、2010年7月放送は、同年2月に亡くなった仕事人・中村主水(もんど)役の藤田まことを追悼する内容だった。今回は藤田の懐から飛び立つ、新生・仕事人のスタートとも言える。

 「藤田さんが作り上げた世界観を、きちっと受け継ぐ。その覚悟でやっている」

 仕事人としての冷徹な横顔とともに、「婿殿」と厳しく追い立てられるコミカルさが主水の真骨頂だった。小五郎の場合は、過保護気味の妻(中越典子)や義母(野際陽子)と、ホームドラマ的なドタバタを繰り広げる。

 「藤田さんは最高峰。手本にしていきたい。同じように質の高い役者になりたいので、比較されるのはありがたい。どんどん比べてほしい」

 今回対決するのは、高橋英樹演じる燕斎(えんさい)(ろう)からあふれかえった罪人を、土木工事に従事させている塵尽(じんじん)会の棟梁(とうりょう)だ。役人と組み、利権をあさっていた。一方、仕事人の涼次(松岡昌宏)は、遊郭からお春(剛力彩芽)を助け出す。

 「英樹さんは目力がすごい。負けないようにと思うから、ビリビリ震えるような緊張感があった」

 見どころはやはり殺陣のシーン。刀を振り上げ、切り結び、(さや)に収める。一連の動作が滑らかで美しく、時代劇の名優・高橋にもひけを取らない。

 「大事なのは、いかに体幹をきちっとするか。それは、ダンスやミュージカルなどにも通じる」

 映画「小川の(ほとり)」で演じた海坂藩士・戌井朔之助とは、演技を変えた。仕事を終えた小五郎は、刀をサッと収める。「本当の使い手はもっと丁寧。仕事人は武士道には収まらないので所作を変えている」

 20歳頃に初めて時代劇に出演した時、「カツラに気に入ってもらえ」と床山さんに言われた。

 「武士の精神性を持てということだと思う。最近はだいぶしっくりしてきた」

 テレビ時代劇は冬の時代と言われるが、「冬があれば春も来る。いつでも出来る状態にしておくのが僕らの仕事」ときっぱり。時代劇を引っ張る存在として責任を感じてきた。

 「スタッフは技術を持ったプロ集団。この文化を僕らが守り、次の時代に引き継いでいかなければ」

 ところで、藤田出演の時代劇と言えば、小粋な老剣客が活躍する「剣客商売」も人気だった。

 「還暦あたりになったら出来るかもと、一応、狙ってはいるんですけど」

 冗談めかした笑いで煙に巻かれたが、それもあるかもしれないと期待した。(大木隆士)

2012年2月13日  読売新聞)

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