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映画監督・伊丹十三没後15年…BSプレミアム・日本映画専門チャンネル

業績と生涯たどる特番

23日の再現ドラマでは、伊丹十三を平岳大(写真右)、宮本信子を近衛はな(同左)が演じる

 「マルサの女」などで知られる映画監督の伊丹十三が亡くなり、今年で15年。

 その業績と生涯をたどる番組が、BSプレミアムと日本映画専門チャンネルで放送される。俳優、エッセイスト、テレビタレント……、多才を誇った伊丹の内面に迫る。(大木隆士)

 父は著名な映画監督の伊丹万作。自身も幼少時から、絵や文章などで天賦の才を発揮していた。若くして俳優や文筆業で成功していたが、「お葬式」で映画監督として世に出たのは51歳と遅かった。

 BSプレミアムが23、24日(ともに後10・00)の2夜連続で放送する「こだわり男とマルサの女」は、「お葬式」を一つの到達点ととらえ、内と外の視点から伊丹の人生をたどる。

 23日の「宮本信子 天才との日々」は、妻で女優の宮本の証言で、家庭人・伊丹を浮かび上がらせる。伊丹は料理や子育てに一家言を持つ男。ひざ枕が好きな寂しがり屋でもあった。

 自己中心的ともとれるような部分が、妻や子供との暮らしで人間としてほぐれていく。成熟の日々を、「お葬式」でもロケに使われた神奈川・湯河原の自宅を舞台にした再現ドラマを交え、描いた。

 24日の「伊丹十三『お葬式』への道」は、多彩な仕事を紹介し、共に働いた仲間や友人、伊丹作品に影響を受けた映画監督らが、その魅力を語る。「自分は空っぽの()れ物」と発言したのはなぜか。そこには、13歳の時に亡くなった偉大な父への反発、憧れが垣間見られるという。

 鈴木真美(しんび)プロデューサーは「伊丹は作品内で、戦後日本が失った自尊心を取り戻そうとしているように思える。エンターテインメントというだけでなく、芸術作品として再評価されるべきではないか」と語る。

次男の池内万平は、伊丹十三記念館で十三関連の資料整理に明け暮れている(「その1 伊丹十三『父と子の物語』」より)

 日本映画専門チャンネルは、3月からBS放送に移行するのに合わせ、1年がかりで伊丹特集を組む。全10作品を上映するとともに、ドキュメンタリー「新・13の顔を持つ男」を制作し、4回放送する。2007年に放送した「13の顔を持つ男」の続編で、伊丹の人間像をさらに掘り下げる。

 第1弾「その1 伊丹十三『父と子の物語』」(3月3日深夜1・10ほか)は、父・万作に焦点を当てる。

 万作は映画監督に加え、文筆家、イラストレーターとしての顔も持つ。戦中には戦争批判、戦後になると欺かれた国民の側の戦争責任も指摘する、社会批判の目も持っていた。肝の据わった文化人。その姿は十三と驚くほど重なる。

 番組には十三の次男・池内万平も出演し、松山市の伊丹十三記念館で、父と祖父を振り返る。

 「この親にして、この子あり。2人に濃厚に表れる作り手の精神、現実を批判し醜いものをえぐり出していく姿を伝えたい」

 テレビやCMで伊丹と多くの仕事をしてきたプロデューサーの浦谷年良は、狙いを説明する。

2012年2月21日  読売新聞)

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