秋の連ドラ どれがお薦め? 記者座談会(下)
3回にわたった座談会も最終回を迎え、秋の民放連続ドラマの記者による星取表を発表します。今期は、高評価の作品が少なく、全体に低調という感がぬぐえません。
今後も目が離せない
市 見事1位に輝いたのは「ガリレオ」。2話目以降も視聴率は堅調だし、今後も目が離せないドラマになりそう。2位に続いたのは「歌姫」だったが、〈旗〉さんは主演の長瀬智也の演技を買っているようだね。
長瀬の男気が貴重
旗 長瀬のはじけぶりが自然で、ぐいぐい引き込まれる。
汗 さわやか系イケメンばやりの中、長瀬のがっちりした男っぽさは貴重。
川 2人とも褒めすぎだよ。現代と昭和30年代とのつながりが分かりにくい展開で、正直、「物語に引き込まれる」という感覚は得られなかったけど。
森 お遍路さんの白装束が随所に出て来たのがうれしかった。ボクも今夏、お遍路やってきたばっかりなので。
上戸と大泉が好演
市 ヒロインを演じる上戸彩を評価するか否かで意見が分かれたのが「暴れん坊ママ」。
律 タイトルの割に今のところ暴れ方が足りない感じ。「暴れん坊」というより、「こんなしっかりした優しい子が今時いるの?」と思うくらい。やや理不尽な形で押しつけられた子育てを早い時期から受け入れてしまったのは驚いた。
汗 〈律〉さん、厳しいね。個人的には“ヤンママ”上戸のはっちゃけぶりが気持ちよく感じたけども。今期、格差社会を隠しテーマにしているドラマが多いけど、どれも格好付けすぎ。「つましい庶民の暮らし」をきっちり描いているのは本作だけ。
岡 ボクが評価したいのはむしろ上戸の夫を演じた大泉洋。「間」が絶妙で、夫婦間や怪しい友達とのやり取りでドラマがぐんと引き締まっている。
川 そうそう、大泉が出ているシーンになると、思わず画面を注視しちゃったもんな。
森 大泉の白目をむいた表情があまりにも変な顔で笑えた。その他にも、バナナマンの日村勇紀やハリセンボンの近藤春菜といったお笑いの「ヘン顔」も出ていて、その点では見応えがあった。
主役を食った脇役
オトコの子育て
市 脇役を絶賛する声が出たのは、「スワンの馬鹿!」も同じ。
汗 上川隆也が演じた諏訪野の家はモデルハウスみたいに大きくてキレイだし、彼自身もぱりっとしたスーツを着ていて共感できない。脇役の梶原善の方がよほど貧乏くさくてナイス。いっそ、彼を主役にした方が面白いのでは?
律 上川が演じたキャラクターの掘り下げ方がやや弱かったかな。家族を愛し、周囲の部下にも頼られている、というディテールがもっと欲しかった。
森 「オトコの子育て」は、ケンカをしない高橋克典に戸惑いました。穏便にのらりくらりと相手をやり過ごすキャラクターには拍子抜け。
旗 高橋が変なお父さん役に挑んでいるけど、「特命係長」とのギャップが激しすぎて、なかなかついていけない。
岡 子供の通う学校に理不尽な要求を突きつける、いわゆる「モンスターペアレント」が赤ワイン飲みながら、特上のすしを食べ、格差社会を語るくだりは何とも現実感がなくて、感情移入できなかった。
セレブものの怪作
汗 感情移入できないのは、「有閑倶楽部」の方が上。「花より男子」以来のセレブ学園ものにピリオドを打つ(?)怪作というしかないね。
今期は全体に不調
森 今期は全体的に不調ですよ。私としては、星取表に入れなかった、TBS系「3年B組金八先生」とテレビ朝日系「相棒」に「★★★」をあげたいです。
――激しい意見が飛び交った座談会もこのあたりでお別れです。次は読者の皆さんの出番。鋭い反論をお待ちしております。
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(2007年11月1日 読売新聞)