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働き盛り、姿を見せず 紅白 新人組の活躍期待 記者座談会

 今年最後の激トークですので、年末恒例の「NHK紅白歌合戦」をテーマに記者座談会を行います。今年の紅白は、やや小粒な出演陣ながら、再結成組の起用など工夫もうかがえます。音楽、テレビ担当記者らによる評価はどんなものでしょう?

寺尾聰26年ぶり出場 再結成の2組を起用

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初出場する8組の歌手たち

 ――まずは全体の印象は?

音楽担当A うーん、新人に甘く、ベテランに優しい。でも、旬の“働き盛り”はいずこにって感じはするよね。

テレビ担当B 出さないんじゃなくって、出てもらえないんですよぉ。NHKの音楽番組「SONGS」に出たチューリップや矢沢永吉、竹内まりやにも打診したけど断られたそうです。

 今年、アルバムを最も売っているMr.Childrenは、宇多田ヒカルは、YUIは、ケツメイシは、安室奈美恵は、嵐は、KAT−TUNは、みんなどこに行ったんだぁ〜い!!って言いたくなるよね。

 ――全体に地味な印象をぬぐえないのは、引っ張り出した感じのする大物が見当たらないことも大きい。

 2年前の松任谷由実、4年前の長渕剛、5年前の中島みゆき級のサプライズはほしかったですね。今年で言えば、結成35年で、18年ぶりの新作アルバムを出し、「これで最後」という大規模な全国ツアーを行ったチューリップあたりは、出してほしかった。

音楽担当C 目玉がない、売れっ子が出ていないという批判はありますが、出たくない人を無理やり出せないでしょ。

 ――Cさん優しいねぇ。

 秋川雅史の「千の風になって」の大ブレークでも分かるとおり、紅白はある一定の層にとって確実に影響力を持っています。実際、取材した歌手の中にも「夢は紅白」という人が意外なほど多い。

 ――“紅白ブランド”の低下は明らかだけど、「されど紅白」といったところかな。

 トピックスやニュース、出演する意味づけがある人を中心にキャスティングすべきです。そこそこのヒット曲があるそこそこのベテランっていうのは、意味がないような気がします。

 あえてサプライズと言えば、26年ぶりの出場を果たした寺尾聰か? 1981年の傑作アルバム「リフレクションズ」のリメークが話題になったことが評価されたのだろうね。

 そうですね。

 おおむね35歳以上のエルダー層に音楽回帰を促すといった観点からすれば、1970〜80年代初頭のフォーク、ニューミュージックの人気者たちに目を向けるのは悪い発想じゃないと思う。

 あみん(25年ぶりの出場)、米米CLUB(11年ぶりの出場)の再結成組を出したのもよかったと思う。もっとも米米の再結成は昨年ですが……。

オタク文化の象徴も 渋い白組初出場2人

 ――今回の出演陣の中で、オリコン年間シングルチャートのベスト10に名を連ねているのは、秋川雅史、コブクロの2組だけ。もうひと頑張りしてほしいというのはありますね。

 昨年は1組もいなかったことを考えれば、一歩前進ですよー。紅組では新人の抜てきが目を引きますね。℃―ute、リア・ディゾン、AKB48、中川翔子と華やかな顔ぶれです。

 ただ、彼女らのヒット規模という点では、例年に比べ、ハードルは低いなという気がする。かつての紅白は、ヒット曲があっても、その年にデビューした新人が出場するのはかなり難しかった。それを考えれば、隔世の観があるなあ。

 日本のオタク文化を象徴するようなAKB48や中川を選んだのは、お堅いNHKのイメージを考えれば、がんばってますよ。

 テレビのワイドショーではコメンテーターが、「オタクの在宅率の高さを狙った戦略」などと分析してたけど、オタク事情に詳しい本紙のI記者によると、「大みそか、オタクは東京・有明のコミックマーケットに集結するから、紅白なんて見ないよ」とのこと。アテが外れたかもしれませんね。

 ――白組の初出場は渋い印象があります。苦節11年、再デビューの末に開花した40歳の馬場俊英、これまで作曲家としての実績が目立っていた58歳のシンガー・ソングライター、すぎもとまさともいます。

 ちなみに、すぎもとは、大泉逸郎と並ぶ、初出場最高齢タイ。亡き母を歌った「吾亦紅(われもこう)」は、主に中高年の心をとらえ、ロングセラーを記録中です。紅白出場発表後、売り上げを伸ばしているので、当日の放送を機に、一気に大爆発という、昨年の秋川の再現も期待できそうですね。

 ――音楽市場の動向を無視した出場数が例年議論となっているのが演歌系です。昨年の21組から今年は18組に減りました。

 うーん、まだ多いなあ。今年は、デビュー以来32回連続出場を続けていた細川たかしが、円天問題の余波で出場辞退しているのが目を引くね。

 ――今年は、紅29組、白27組と出場組数をそろえなかったのは、どうして?

 NHKは「演出の工夫によって対戦組数はそろえる」と説明してるんですけどねぇ。確かに無理があるやり方だと思いますね。

 mihimaru GTなど男女混成ユニットを白組に回すなどして、組数を合わせる方が自然ですよね。美空ひばり生誕70年特別企画として出演する小椋佳が別枠というのも……。

 ――さて、今年も提言をうかがいましょう。

 毎回言ってるけど、懲りずに言うぞ。紅白はそれぞれ20組に絞って、午後9時からの1部制にする。うち最低でも各15組程度はその年の活躍を基準とし、例えば売り上げや視聴者の人気投票など、数値化された指標の上位から出演交渉し、その可否も公表する。

 選考過程を公開すれば、出演を断りにくくなるかもしれませんね。

 ブランド力維持のために、時間短縮、出場枠を縮小するというのは全く同感です。

 残り各5組程度は、その年のNHKへの貢献度、世代やジャンルのバランスなどを考慮したNHKの独自選考とすればいい。1年の総決算となる音楽ショーという理念が実現するのでは?

 お笑い好きの立場からすれば、出演者によるミニコントやショーの質が低すぎると思います。

 学芸会的な演出はやめてほしい。今更、「紅勝て白勝て」じゃないだろう。あの見ているだけで赤面してしまうような演出に加担せざるを得ないことが、出演意欲をなえさせるという点に、もう少し自覚的になるべきだよ。

〈初出場アーティストのコメント〉
AKB48  「2007年最後のステージ。48人にしかできないパフォーマンスを一生懸命やりたい」
すぎもとまさと 「こんな年齢で出ていいのかな。紅白は58回。オレは58歳。なかなかいいかな」
中川翔子 「紅白に出られて、ギザどころではなく、ギガントいやビッグバンウレシスでございました」
中村中 「とても光栄。『歌の力』というテーマに恥じないようにしたい。親孝行になった」
馬場俊英 「音楽に込めた思い、メッセージを一人でも多くの人に届けることができるよう歌いたい」
Berryz工房 「今年、紅白に出場するという目標を立てた。それがかなってうれしい」
℃―ute 「ファンの皆さんや家族、スタッフのお陰。悔いの残らないパフォーマンスを見せたい」
リア・ディゾン 「今年はデビューし、初ライブもできた充実した1年。紅白に出られてうれしい」
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2007年12月27日  読売新聞)
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