冬の連ドラ どれがお薦め? 記者座談会(上)
冬の連続ドラマについて、丁々発止の討論を行う恒例の記者座談会。今回はどんな意見が飛び出すのでしょうか。
汗 今期は意欲的な作品が多く、なかなか見ごたえがある。気軽に寝転がって見るというより、どこか胃の腑(ふ)を絞るようなテーマが多いね。
主演の小日向に味
川 少なくとも「ありきたりのドラマ」から脱却しようとする姿勢はうかがえますね。その意味で特に異彩を放っているのは「あしたの、喜多善男」でしょうか。
律 ストーリーの組み立ては複雑かつ繊細で、発言の一つひとつが伏線になっている。下手な役者が入ると、一気に崩れそうな構成を芸達者の役者陣が支えています。
岡 さすがフジ担当。ヨイショがうまくなった。でも、名脇役の小日向文世が主演し、彼だからこその味わいが出ている。
「嫌われ米倉」ハマリ役
汗 「交渉人」もいいね。スケールが大きく、広い空間感覚を多用した演出は小気味いい。主演の米倉涼子はこういう鼻っ柱の強い“嫌われ者”の役どころが実にはまる。
岡 えーっ! 「踊る大捜査線」と「アンフェア」を足して2で割って、現実感を引いたような感じじゃないですか。でも、香港のような異国が舞台の刑事ドラマと思えば、それなりに楽しめるかな。
どこかで見たよう
森 ズバッと相手にもの申すことができるのが観月ありさ演じる「斉藤さん」。どこかで見たと思ったら、「ハケンの品格」の篠原涼子ですね。幼稚園ママの世界を描く点は「暴れん坊ママ」。これも足して2で割った感じです。
汗 マンガが原作だけど、これをドラマにしようという挑戦を買うよ。KY(空気読め)なんてクソ食らえと思っているオレは、斉藤さんを全面的に応援するね。
くどい説明シーン
森 どこかで見たキャラと言えば、「エジソンの母」に出てくる大学准教授役・谷原章介も。「面白い」という口癖は「ガリレオ」の福山雅治と同じ。確信犯かな。
汗 「子どもの可能性を生かす教育」というテーマはいいんだけど……。伊東美咲のコミカルな演技があまりに記号的なのは何とかしてほしいな。
律 だれでも知ってるパラドックスを仰々しく説明するシーンはシラケました。
川 え? だれでも知ってるの? オレ知らなかったよ。だけど、確かにくどい割にはわかりにくい説明だったね。
いかにもクドカン
岡 「未来講師めぐる」は腹を抱えながら見ました。面白い。コントとしては、ですけど。
森 またまた、きついことを。「富豪刑事」もそうだけど、フカキョン(深田恭子)に浮世離れしたキャラを演じさせるとピッタリですね。
汗 フカキョンはかわゆいんだけど……。いかにもクドカン(宮藤官九郎)脚本らしいコメディーではあるが、第1話はすべってるんじゃない?
森 浮き沈みの激しいバブル紳士を演じる船越英一郎は、そのくどさがどっぷりクドカンワールドにはまっていて◎。今後、宮藤作品の常連になりそう。
原作に独自要素も加味
川 「ハチミツとクローバー」の原作マンガを読んでみたんだけど、うまいことドラマに仕立てている。ヒロインのキャラは少し変えてあるけど、うまいし、力作だと思った。
汗 原作の切なさを損なうことなく、オリジナルの要素をかなり加えていて好感を持った。演出、脚本もすきがなく、完成度は高いが、今期はアクの強いドラマが多いので、ちょっとおとなしめに見えてしまうかも。
岡 前半の演技は大げさ過ぎませんか? コミカルというより、興ざめしてしまいました。学生時代のほろ苦さを表現するなら、過度なコミカル感は蛇足だと思いますが。
――岡さんの毒舌が出たところで今回は終了です。次回は残りの7作品を取り上げます。
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(2008年1月17日 読売新聞)