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北朝鮮がミサイル発射、日本上空を通過

 北朝鮮は5日、人工衛星打ち上げとして事前通告していた多段式の弾道ミサイル1発を発射、ミサイルは秋田県西方の日本海に1段目を落とし、日本のはるか上空を通過した。

 自衛隊は迎撃を見送った。国内に被害はなかった。

 政府は北朝鮮に対し、国連安全保障理事会の決議違反だとして厳重に抗議した。

 安保理は日本の要請を受け、緊急会合の開催を決めた。

 北朝鮮は人工衛星打ち上げに成功したと発表したが、米軍は2段目以降が太平洋上に落ち、軌道には何も乗っていないとの声明を出した。ただ、北朝鮮は弾道ミサイルの長射程化に成功した可能性が高い。

          ◇

 日本政府は米軍の早期警戒衛星の情報などから、北朝鮮が5日午前11時30分ごろ、日本海に面した舞水端里(ムスダンリ)の基地からミサイル1発を発射したことを探知、ただちに公表した。

 ミサイルは同37分ごろ、秋田県と岩手県の上空から太平洋上に抜けた。1段目ブースターは秋田県西方約280キロ・メートルの日本海に落下。海上自衛隊の哨戒機P3Cが海上の変色(午後3時の時点で幅50メートル、長さ3キロ・メートル)を確認した。自衛隊はミサイル防衛(MD)システムで迎撃態勢をとっていたが、発射直後の分析で日本に落下する可能性が無いと判断、迎撃を見送った。日本に落下物はなかった。

 自衛隊は同48分、日本の東方約2100キロの太平洋上までミサイルが飛行したことを確認して追尾を終えたが、ミサイルはさらに飛び続けた可能性もある。

 ミサイルの航跡に関し、浜田防衛相は「我が国のはるかかなた上空を飛んだラインは、ほとんど(事前通告と)合致している。距離的なものは分からない」と説明。また、北朝鮮が今回の発射で、弾道ミサイルの射程を伸ばすために必要なデータを獲得した可能性があるとの見方を示唆した。

 政府はミサイルの2段目以降についても、午前11時43分ごろに日本の東方約1270キロ・メートルの太平洋上に落下すると推測したが、落下物の有無や地点などを確認する作業が続いており、発表を巡る混乱もあった。

 一方、海上自衛隊のイージス艦による分析の結果、ミサイルは人工衛星が地球を周回するのに必要な速度に達していないことが判明した。日本政府は、人工衛星打ち上げに失敗したか、人工衛星が搭載されていなかった可能性があると見て詳細な分析を急いでいる。

 政府は、今回の発射は弾道ミサイルに関する活動の停止を求めた国連安保理決議1695と、これに北朝鮮への制裁を加えた1718に違反するとして、国連代表部を通じて安保理の開催を要請。また、在北京の日本大使館を通じ、北朝鮮に強く抗議した。

 麻生首相は5日午後、首相官邸で記者団に、「極めて挑発的な行為で、断じて看過できない」と語った。

2009年4月6日03時04分  読売新聞)

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