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    「彩湖で五輪」消滅、知事の誘致姿勢に批判の声

     2020年東京五輪・パラリンピックのボート、カヌー・スプリント会場見直しを巡り、国際オリンピック委員会(IOC)、国、東京都、大会組織委員会の4者協議が29日、「海の森水上競技場」(東京湾中央防波堤)の使用を決定し、彩湖での開催は消滅した。

     埼玉県の上田知事は同日、誘致断念を表明、地元では落胆の声が広がった。県議会からは、知事の誘致姿勢に批判の声が上がった。

     上田知事は、県庁内で記者団に対し、「4者協議で最終的に決まったこと。しっかり受け止めざるを得ない」と述べた。「立派な会場を設営、運営していただきたい」とも語り、彩湖での開催の断念を表明した。

     彩湖開催の消滅を受け、誘致活動を続けてきた戸田市では、失望の声が広がった。神保国男市長は「4者協議は非公開で、決定に至る過程が見えなかった。県やボート競技者、市民団体など、多くの方が誘致に取り組んでおり、検討過程について、説明責任を果たしてほしい」とコメントした。

     2011年から誘致活動を行ってきた県ボート協会の和田卓理事長(72)も「彩湖は水質や風など、競技する側から見て、非常に優れているのに残念だ」と肩を落とした。

     一方、誘致活動を巡る上田知事の姿勢に対し、県議会で知事と対立する自民党県議団は批判。4者協議で組織委の森喜朗会長が「(上田知事が)『我々は十分に会場をいただいている。これで十分だ』と言っていた」と発言したことを受け、「地元が汗をかいている中、知事が言っていい言葉ではない」(ベテラン県議)と反発した。

     知事は、記者団にこの発言を否定したが、「そもそも誘致活動を始めたのも遅かった」との声も出ており、自民党は、県議会で追及する構えを見せている。

     彩湖誘致が実現しなかった理由として、彩湖が大雨の時に水をためる「調整池」だった点が指摘されており、組織委の森会長も今月14日、さいたま市の講演で「国の治水池を使うわけにいかない。(管理する)国土交通省がうんと言わない」との見方を示していた。

    2016年11月30日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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