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    思い出の木々、除染で伐採…福島・二本松の学校

     福島県二本松市の小中学校が、校内の樹木を伐採して放射線量を低減させる独自の取り組みを始めた。

     環境省の除染指針では、枝を切り落とす剪定(せんてい)しか認めていないが、市教委は「学校の放射線量を下げるためにあらゆる対策を講じる」としている。

     市内の小中学校では、高圧洗浄や校庭の表土除去による除染を終了したが、その後も校庭などの樹木の周りでは放射線量が周辺より高くなっていることが判明した。校内の敷地では児童・生徒の被曝(ひばく)線量に影響を与える可能性があることから、市教委は伐採による除染の実施に踏み切った。

     昨年12月下旬から伐採が始まり、今年3月末までに終える予定という。原則としてすべての樹木を伐採するが、学校側の要望を踏まえてサクラなどを対象から外す。市立の全23小中学校が対象で、伐採で出る廃棄物は506トンにのぼる見通し。

     このうち、市立小浜中学校では、サクラ約10本を残して、他の樹木539本はすべて伐採する。同校では現在も生徒が帽子とマスクを着用して登下校し、体育の授業も体育館で行っている。卒業生になじみがあり、夏にはカブトムシが寄ってくるなど同校のシンボル的存在となっているマツの木も、伐採する。味原悦雄校長(55)は「卒業生や地域の方から反対は出なかった。伐採後は、運動場での体育を再開する方向で考えている」と話す。

     伐採費用には1億5000万円を見込むが、市教委教育総務課の菅野彦課長は、「子どもたちのことを考えると、費用がかかっても放射線量を下げる対策を取るべきだと判断した。今後は東電や国に伐採費用を求めていく」としている。

     環境省福島環境再生事務所は「学校などの文教施設で、伐採による除染を行った例は聞いたことがない」として、費用を国が負担するのは難しいとの認識を示している。(傍田光路)

    2013年02月03日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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