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    原発事故、東電負担は最大6兆円…政府支援決定

    • 原子力災害対策本部会議であいさつする安倍首相(中央)(20日午前、首相官邸で)=吉岡毅撮影
      原子力災害対策本部会議であいさつする安倍首相(中央)(20日午前、首相官邸で)=吉岡毅撮影

     政府が東京電力への追加支援の枠組みを決定し、福島第一原子力発電所事故による東電の費用負担は最大6兆円余りになる見通しとなった。

     上限が決まったことで、東電再建への最大の不安要因が取り除かれたことになる。東電は月内にまとめる新しい経営再建計画に、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働などを前提として、電気料金を10年後に値下げする方針を明記する。

     ◆見直し

     政府の原子力災害対策本部が20日に決めた福島復興の新指針は、これまで東電が負担することになっていた費用の一部を国が追加で負担することを正式に決めた。

     もともと東電が負担することになっていた計画済みの放射性物質の除染費用を2・5兆円と見積もり、政府が保有する東電株を将来売却したときに得られる利益で穴埋めする。除染費用は作業が増えれば膨らむ可能性があるが、追加分も政府が負担する。

     汚染土などを一時的に保管する中間貯蔵施設の建設費の1・1兆円も政府が負担する。財源は原発立地自治体への交付金などに使う電源開発促進税から約30年間、毎年300億~400億円を支払う。

     東電が負担する、事故で避難を余儀なくされた住民への賠償費は5・4兆円と見積もった。廃炉・汚染水対策の費用の1兆円超と合わせて、東電が負担するお金は合計で6・4兆円余りとなる見込みだ。

     新指針は、国と東電の費用負担を大きく見直した。東電の負担上限が見えないままでは、復興も滞りかねないと判断したためだ。

     ◆再稼働が条件

     東電は新指針の決定を受けて、再建計画で電気料金を引き下げる方針を明記する。柏崎刈羽原発の再稼働や、価格が安いシェールガスの活用拡大などが条件で、発電コストが下がった分の利益を料金値下げに充てる。10年後に約1兆円の値下げ原資を確保したい考えだ。原発の運転停止が続くなか、東電は昨年、4月に企業向けの料金を平均14・9%、9月に家庭向けの料金を平均8・46%値上げした。東電幹部は「計画が実現すれば、震災前の料金水準になる」と話す。

     東電は柏崎刈羽原発6、7号機について、再稼働の前提となる安全審査を国の原子力規制委員会に申請した。ただ、審査はまだ本格化しておらず、福島第一原発の汚染水問題の行方によっては中断の可能性もある。

     再建計画は、2基が来年7月に再稼働することを前提とする方針だ。料金値下げを実現するためにも、早期の再稼働をアピールする内容となる。(有光裕、丸谷一郎)

    2013年12月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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