3号機炉心溶融、推定より4時間早かった…東電
2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故で、3号機ではこれまで考えられていたより約4時間も早く炉心溶融が始まっていたことが6日、東電の調査で分かった。
東電は「燃料の大部分が格納容器の底まで溶け落ちた」とみており、今後の廃炉作業がより難しくなりそうだ。
政府事故調査・検証委員会の最終報告書などによると、東電は同年3月13日未明、運転が不安定になった3号機の緊急用の高圧注水装置を手動で停止、注水系統を切り替えようとしたが、電源を確保できずに失敗した。
東電は当初、この時点から「注水の空白」が生じて圧力容器内の水位が下がり始め、13日午前9時以降に炉心溶融が始まったと推定していた。
しかし、運転員が記録していた原子炉の詳細な水位の記録が見つかり、13日未明に注水装置を停止するより7時間近く前から、すでに注水装置が機能していなかった可能性があることがわかった。これを基にコンピューターで炉内の状態を解析し直したところ、13日午前5時半頃には炉心は溶融温度の2200度に達していたとの結果が得られ、東電は「13日早朝には炉心溶融が始まっていた可能性が高い」と推定した。
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2014年08月06日
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