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    福島自主避難の損害賠償、控訴審で大幅に減額

     東京電力福島第一原発事故で福島県内から京都市に自主避難していた40歳代の男性と家族計5人が、東電に計約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は27日、男性と妻に計約3000万円を支払うよう命じた1審・京都地裁判決を変更し、賠償額を約1600万円に減額した。

     判決によると、男性は、妻や子どもとともに避難指示区域外に住み、会社を経営していたが、2011年3月の事故発生直後に県外へ自主避難し、京都市内に転居。11年5~9月、不眠症やうつ病と診断され、働けなくなった。

     福島県内の自宅は、東電が自主避難に賠償金を支払う対象地域にあり、男性らは事故後、東電から約290万円を受け取ったが、金額が不十分として提訴した。

     佐村浩之裁判長は判決で、昨年2月の1審判決と同様、原発事故とうつ病の因果関係を認めたが、男性が経営していた会社の売り上げが減少していたなどとして休業損害額を大幅に減らした。

     福島第一原発事故では、前橋、千葉、福島の3地裁が集団訴訟の判決で、放射線量が避難指示の目安とされる年間20ミリ・シーベルトを下回っても自主避難に合理性はあると判断したが、佐村裁判長は「20ミリ・シーベルトを下回れば、自主避難に合理性を認めるのは困難」と指摘した。

     原告代理人の井戸謙一弁護士は判決後、「低線量の被曝ひばくでも不安に感じるのは当然とする集団訴訟の判決の流れに逆行しており、不当」と話した。

    2017年10月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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