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    「校長らに専門知識は無理」市上告へ…津波訴訟

     東日本大震災の津波で児童74人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小学校の児童23人の遺族らが市と県に損害賠償を求めた訴訟で、1、2審とも敗訴した石巻市は、学校側の責任を認めた仙台高裁の控訴審判決を不服として、最高裁へ上告する方針を固めた。

     控訴審判決は同校の教員に対し、災害に関する高いレベルの知識を求めたが、亀山ひろし市長は7日、報道陣に「東日本大震災は想定できない大災害だった。校長や教頭らに専門家並みの知識を求めるのは無理がある」と上告理由を説明した。市は8日に臨時市議会を開き、上告手続きに必要な関連議案を提出する。同じく敗訴した県は、市の対応を受けて上告を判断する方針で、市の決定に同調するとみられる。上告期限は10日。

     原告の一人で、小学6年の三男・雄樹君(当時12歳)を亡くした佐藤和隆さん(51)は「未来の子どもの命を守る画期的な判決に対して、上告するというのは残念。今後の議会の動きを見守りたい」と話した。

     仙台高裁は4月26日の判決で、震災前の学校側の防災体制に不備があり、地震発生前の対策を怠ったことが惨事につながったと認定。市と県に対し、1審・仙台地裁よりも約1000万円多い14億3617万円の支払いを命じた。

     控訴審では、震災前の防災体制の適否が最大の争点となった。被告側は、同校がハザードマップの津波予想浸水域外にあり、津波を予見できなかったと主張したが、判決は、津波被害の危険性があり、学校側は予見できたと指摘した。

     さらに「教師らは独自にマップの信頼性を検討するべきだった」と指摘。児童の行動に強い影響力がある教員には、地域住民よりもはるかに高いレベルの知識と経験が求められると判断した。

    2018年05月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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