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    文化

    町の小さな「売る気のない本屋」が猫本で生き残りをかける

    猫本専門 神保町にゃんこ堂 アネカワユウコ
     「猫が経済を動かす?」――近頃、CMや映画、ゲームアプリや動画など、あらゆる媒体で猫がもてはやされ、「ネコノミクス」という言葉もささやかれている。その手を借りて、廃店寸前の状態から見事復活し、いまや「猫好きの聖地」とも言われる書店が東京・神田神保町にある。
     その名は「猫本専門 神保町にゃんこ堂」。神保町は約200店もの書店が軒を連ねる言わずと知れた日本一の本屋街だが、出版不況の大波はこの町も襲っている。この町で長年営業していた「姉川書店」という小さな書店も例外ではなく、衰退の一途をたどっていた。そんな中、その店主は猫好きの娘(筆者)のアドバイスを聞き入れ、書店の再生プロジェクトを計画。試行錯誤して、2年前に店の一部を「猫本専門 神保町にゃんこ堂」に模様替えした。その結果、世間の注目を集め、娘の狙い通り、売り上げも伸ばしている。
     今年3月には、「猫本専門 神保町にゃんこ堂のニャンダフルな猫の本100選」(宝島社)という本まで出版した著者のアネカワユウコ氏に、小さな書店の復活ストーリーを語ってもらった。

    売りたいのに話題の本が入荷できない…書店としての機能を失う

    • 東京・神田神保町にある姉川書店
      東京・神田神保町にある姉川書店

     だれもが本や雑誌で情報をチェックしていた20年前。その頃は、うちのような町の小さな書店にも新刊の単行本や雑誌、コミック誌が充実し、朝から夜遅くまで店内にお客さまがいるのは当たり前の光景でした。

     しかし情報収集源がインターネットに移行したあたりから情報誌の廃刊が進み、バブル経済崩壊以降、出版不況や活字離れと書店には不利な情報が蔓延(まんえん)し、気づいた時には書店としての機能が奪われつつある状況に陥っていました。

     出版不況による新刊の発行部数減らしにより、大型書店とネット書店を優先した配本体制となり、今から5~6年前、両親が営む小さな書店の書棚は“話題の新刊が並んでいない”という書店になってしまいました。つまり、書店としての機能を欠いた状態が普通になってしまったのです。

     注文もしているし、一生懸命売りたいけど、話題の新刊が発売日に入荷してくることはめったにありません。売れる本は入荷せず、売れる時期を過ぎた本が忘れた頃に入荷する……それが姉川書店の日常となっていました。この悪循環は大型書店とネット書店がより強化され、小さな書店は書店としての機能を日々奪われていくような感じがしました。

    2015年10月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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