文字サイズ
    生活

    「親の葬儀」で慌てないよう…準備したい3つのこと

    第一生命経済研究所 主席研究員 小谷みどり

    準備したい(1)…親の交友関係をつかもう

    • 親の交友関係、知っていますか?(写真はイメージ)
      親の交友関係、知っていますか?(写真はイメージ)

     とはいえ、どんなお葬式にしたいか、家族でコンセンサスがとれていなければ、トラブルにつながることもある。「家族だけでお葬式を」と親にいわれても、子どもからすれば、親戚に声をかけないわけにはいかない。仮に家族だけですませたとしても、死の事実を伝える必要がある。離れて暮らす子どもは、親がどの親戚や友人と親しく付き合っていたか、まったく把握していないことが多い。親は自分のきょうだい、いとこと親しく付き合っていても、子どもはその人たちの連絡先を知らないというケースは珍しくない。

     実は、妻が突然死した場合、妻の友人の連絡先を知らない夫は少なくない。長年、妻の話を上の空で聞いていたせいだ。同じ家に住んでいてもそうなのだから、離れて暮らす子どもならば、可能性はより高まる。事前に親の交友関係を把握しておくことは、とても大切だ。

     年賀状の欠礼あいさつなどで訃報を知らせると、「もっと早く知らせてほしかった」「なぜお葬式に呼んでくれなかったのか」と、故人の友人から文句を言われることもある。「せめて仏壇に手を合わせたい」「お線香をあげたい」と、連絡してくる人たちもいるだろう。遺族は、そうした人たちの対応に追われることにもなる。

    準備したい(2)…親がどんな準備をしているのか把握しよう

    • 状況を把握していないと、積立金に気づかないことも……(写真はイメージ)
      状況を把握していないと、積立金に気づかないことも……(写真はイメージ)

     お葬式代で家族に迷惑をかけたくないと、冠婚葬祭互助会に加入して、積立金を払っている高齢者も多い。この事実を子どもが知らなければ、せっかくの積立金も無駄になってしまう。お葬式が終わった後で本人の加入者証書が出てきた場合、同居していない家族でも名義変更すれば互助会のサービスは受けられるものの、解約すれば、解約手数料が引かれるため、積立金全額は戻ってこない。月々数千円の積み立てでも、何年も加入すれば数十万にもなる。

     数万円の予約金を支払って葬儀社で生前予約する人もいる。亡くなったら自分で葬儀社に連絡することができないのだから、家族にも知らせておく必要がある。自分の親が、こういった準備をしているかどうかを確かめておくことが重要だ。

     

    お葬式はだれのもの?
     お葬式の主役は故人だが、お葬式は、 ( のこ ) された人同士が感情を共有する場でもある。超高齢で亡くなった人のお葬式は、誤解を恐れずにいうと、湿っぽい雰囲気はあまりなく、むしろ、集まった人同士の親睦の場と化す傾向にある。昨今、親戚の結婚式に参列することが少なくなり、お葬式は、親戚が何年かぶりに一堂に介する格好の親睦の機会となっている面がある。故人の友人も同様で、お通夜の帰りに一杯やろうという流れになるのは当然だ。故人をしのぶ気持ちはもちろんあるが、故人の死によって、久しぶりに再会した人たちの親交を深めるきっかけになるのであれば、ここに現代のお葬式の意義があるともいえる。お葬式は遺された人のためにもある。

    2015年12月24日 09時31分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP

    山へ行こう♪

    初心者も、ベテランも 準備はしっかりと