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    生活

    「昆虫食」は地球を救う!? ~食卓にコオロギ料理が並ぶ日は来るか?

    メディア局編集部 田中 昌義
     コオロギやハチといった昆虫が、将来の食糧源として世界的な関心を集めている。ヨーロッパなどでは、食用昆虫の普及を目指す動きが活発化してきた。日本では、虫を食べることに抵抗感を抱く人が大半だ。しかし、世界の人口がこのまま増え続けて家畜などの食糧増産が進行しても、途上国での食糧不足は解消されないばかりか、環境悪化に拍車がかかるのは必至で、「環境に優しい」昆虫食は、日本人も無関心ではいられないテーマとなっている。昆虫食を巡る世界の現状、日本の現状を探った。

    食糧問題の対策として有益な食材

     昆虫食への関心が高まるきっかけとなったのは、国連食糧農業機関(FAO)が2013年5月、「世界的な食糧問題の対策の一つとして有益な食材になり得る」と、昆虫食を推奨する内容の報告書を発表したことだ。

     世界の人口は年々増え続け、70億人を超えた。そのうえ、発展途上国などでも都市化、中流化が進んで、それに伴って様々な食材のニーズが高まり、とりわけ食肉の需要が増えている。そうした需要にこたえるために、世界各地で大規模な農地・牧草地の開発が進行しており、森林減少の大きな要因となっている。世界資源研究所の調査によると、2014年には世界で1800万ヘクタール以上の森林が消失。過去3年間の平均でみると、消失面積は2001年以降で最高を記録したという。

     世界の人口は、2030年には90億人に達すると見込まれている。現在、途上国で8億人以上が食糧不足の状況だが、このまま食糧増産が進んでも、2030年でなお5億人を超える人々が食糧不足に悩まされ続けると推定されている。その一方で、森林減少による温暖化など、環境問題がさらに深刻になるのは避けられない。

     そこで着目されたのが、昆虫だ。高タンパクで、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれるなど、栄養価が高い。野生で捕獲するか、養殖するにしても、牛や豚などの家畜動物より小規模の土地で育てられるため、環境への負荷が低い。牛肉1キロを生産するために8キロの飼料が必要なのに対し、昆虫1キロの生産には2キロの飼料で済むうえ、家畜に比べて温室効果ガスの排出量も少ないという。

     アジア、アフリカ、南米などで1900種以上の昆虫が食用として扱われ、少なくとも20億人の食生活の一部になっていると言われるが、FAOの報告書は、世界のより広い範囲で昆虫が食材として利用されるべきことを示している。

     

     

    2015年12月14日 16時13分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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