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    国際

    中国人観光客のマナーはやっぱり悪い? 「爆買い」ブームの裏側

    ジャーナリスト 中島 恵
     2015年の流行語大賞ともなった「爆買い」。東京・銀座の中央通りで、大阪の黒門市場で、札幌の狸小路で、数多くの中国人観光客を見かけることが、私たちの「日常の風景」となった。果たして、眉をひそめる向きも多い中国人のマナーについて彼ら自身の言い分はあるのだろうか。 事情に詳しいジャーナリストの中島恵さんが「 日本人と中国人 ここまで違う子育て観 」に続き、日本各地を歩いて中国人のホンネを聞いた。

    トイレが汚いのは誰のせい?

    • 購入した家電製品などの箱を持つ外国人観光客(東京・千代田区で2015年10月5日撮影)
      購入した家電製品などの箱を持つ外国人観光客(東京・千代田区で2015年10月5日撮影)

     「『以前よりもトイレが汚くなった。中国人ではないのか? 清掃をもっときちんとしてほしい』という苦情が寄せられました。私たちもトイレ内に中国語で使い方を表記したステッカーを貼るなど、できるだけ対応しているのですが……」

     15年秋、中部国際空港(愛知県)を訪れた際、空港会社のCS(カスタマーサティスファクション)推進グループの担当者は、困惑した表情を浮かべながら私にこう語ってくれた。

     空港内のご意見箱には利用者からさまざまな声が寄せられる。最近、急速に増えているのが、こうした中国人客に関する日本人の厳しい意見だという。

     実際のところ、誰がトイレを汚く使っているのかはわからない。ご意見箱に意見を寄せた日本人も“現場”を目撃したわけではなかったようだが、「マナーが悪いのは中国人」という先入観があるからか、厳しい意見は後を絶たない。

     同空港の場合、国際線と国内線がすぐ隣り合わせにあり、施設がコンパクトにまとまっているため、国内線の利用者であっても、駅やバス停で中国人と鉢合わせする機会は多い。日本人客から「中国人が列に割り込んだ。今すぐ来て、ちゃんと並ばせてほしい」というクレームが入ることもあり、急いで警備員が現場に直行した、ということも一度や二度ではなかった。

    • 飲料専用のゴミ箱(中部国際空港で。中島さん提供)
      飲料専用のゴミ箱(中部国際空港で。中島さん提供)

     空港の担当者は「日本人、中国人、双方に満足していただけるように、誠意を持って接している」というが、日中の習慣の違いや施設上の問題から生じてしまう問題もある。たとえば、国際線では保安検査場に入るとき、ペットボトルの水は捨てなければならないのが決まりだ。

     日本人ならその場で飲みきってしまうか、ペットボトルごと捨てる人が多いが、中国人の場合、マイボトルの中にお茶を入れて持ち歩く人が多いため、中身だけを捨てることになる。その際、ゴミ箱の中にそのまま液体を捨ててしまうケースが多発し、問題となっていた。結局、「液体だけを捨てる専用のゴミ箱」を設置して問題は解決したが、習慣の違いを知らないばかりに、「中国人はマナー違反ばかりする!」と日本人が目くじらを立ててしまうこともしばしばある。

     

    2015年12月24日 09時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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