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    働く

    パワハラ上司への怒りを消し去る3つの方法

    日本アンガーマネジメント協会理事 戸田 久実
     頭ごなしに理不尽な怒りをぶつける「パワハラ上司」。何度同じことを言っても理解できない「使えない部下」。上司と部下のイザコザはどこの職場でもよくあることだが、立場を考えると「言い返したくても言えない」。怒りの持って行き所を失い、イライラは募るばかり。お互い理解しあい気持ちよく仕事をするにはいったいどうすればいいのか。心の病や暴力行為に発展する前になんとかするため、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」という心理トレーニングについて、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんが、考え方や伝え方、言葉力の身につけ方について具体的に解説する。

    アンガーマネジメントとは

    • 怒る必要のないものには怒らなくて済むように(写真はイメージ)
      怒る必要のないものには怒らなくて済むように(写真はイメージ)

     アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニングです。

     怒ってはいけないということではなく、怒る必要のないものには怒らなくて済むように、怒る必要のあるものには適切な怒り方ができるようになれることです。

     「あのような怒り方をしなければよかった、あの時に怒っておけばよかった」と後悔することのないよう、怒りの感情に振り回されなくなることを目指します。

     全米の教育機関や企業で広く導入され、教育、職場環境の改善、学習、業務パフォーマンスの向上を目的に長年活用され、ビジネスパーソン、政治家、弁護士、医師、スポーツ選手など、様々な職種の方々が取り組み、日本でも多くの企業研修、教育現場などで取り入れられています。

    なぜ部下に対してイライラするのか?

     「なんで、同じことを何度も言わせるかな?!」「こんなこと言わなくてもできるはずだよね?!」と、職場で部下に対してイライラすることが多いという話をよく耳にします。なぜ、怒りを感じるのでしょうか。「怒り」の原因のひとつは、それぞれがもつ「べき」です。「ゆずれない価値観」または「信条」とも言われ、自分の理想や期待を表す言葉でもあります。

     「~あるべき」「~するべき」と信じていたことが、その通りにならなかった時に、「えっ?なんで? ~であるべきなのに!」と怒りが生じるのです。

     しかし、自分が長年信じてきた「べき」を相手も信じているとは限りません。人それぞれ違う「べき」をもち、さらに「どの程度を望んでいるのか」も違います。

     たとえば、「メールは早く返信するべき」といっても、「24時間以内に返信するべき」という人もいれば、「2日以内に」という人もいます。「時間は守るべき」に関しても、「10分前集合」という人もいれば、「ジャストタイムでもいい」という人もいます。同じような「べき」を信じているようでも、それぞれの基準があり、どの程度を望むのかが違うことがあります。

     「10分前に会議には集合するべき」と思っている上司が、開始時間ちょうどに会議室にかけ込んできた部下に対して「なぜもっと早く来ないんだ!」と怒って言ったとき、部下は「なんで?間に合っているのに…」と納得できなかった、という話を聞いたことがあります。

     叱る目的は「相手の成長を願い、意識や行動を改善してもらうこと」です。納得できないとなると改善は期待できませんし、ただ怒りの感情をぶつけられたと思われてしまうこともあります。

     

     

    2016年01月22日 18時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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