文字サイズ
    生活

    話し上手は嫌われる!~大ヒット“伝達本”の落とし穴

    コンサルタント/コラムニスト 木村隆志
     「 結婚しない30、40代男性の生態学 」など一連の記事で、彼らの不可思議な心理を解き明かしてきた木村さんが、今回はコミュニケーション力について提言します。職場でプライベートの場で、自分はコミュニケーション力がないと悩んでいる人が多いと言います。「こうしたらコミュニケーション力を身に付けることができる」とうたった“伝達本”が書店で売れていますが、木村さんのアドバイスは意外や意外、「話し上手は嫌われる!」というもの。「話し上手になる前にやることがあるでしょう」という提言です。

    うまく話せないほうが築ける円満な人間関係

    • あの人は立て板に水で話すのだが……(写真はイメージ)
      あの人は立て板に水で話すのだが……(写真はイメージ)

     こんにちは。コンサルタントの木村隆志です。

     私の元には男女を問わず、「話し上手になりたい」「口ベタなのがコンプレックス」という多くの相談者さんが訪れます。また、『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)、『超一流の雑談力』(文響社)、『伝える力』(PHPビジネス新書)などの書籍がベストセラーになっていることからも、そのような思いを抱えた人の多さが分かります。

     しかし、相談者さんたちが必ず口にするのは、「それらの本を読んでも話がうまくならない」という悩み。勉強熱心な彼らがうまくいかないのはなぜなのでしょうか?

     私は相談者さんたちに、「全く問題ありません。『うまく話そう』と思いすぎるのが問題であって、むしろうまく話せないほうが円満な人間関係を築けます」と伝えています。そして、コンサルを終えた相談者さんたちは、「今まで真逆の考え方をしていた」と肩の荷が下りたような穏やかな表情になり、笑顔で帰っていくのです。

     ここでは「『うまく話そう』と思いすぎないほうが円満な人間関係を築ける」理由と、具体的なコミュニケーション方法を紹介していきます。

    「冗舌な人ほど好きになれない」のはなぜ?

     「あなたの周りにいる話し上手な人のことは好きですか?」

     「話し上手になりたい」という相談者さんとのコンサルは、この言葉から始まります。すると、ほとんどの人は首をかしげてしまい、素直に「はい」とは言えません。つまり、「話し上手な人が好きではないのに、そういう人になろうとしている」矛盾に気付くのです。

     好きではない理由は、話し上手な人との会話が「主導権を握られている」という印象があるから。とりわけ冗舌な人は、心の中で「相手に『話がうまい人』と思わせたい」「自分の話で相手をコントロールしたい」と考えているため、相手に「何だか好きになれない」と心の壁を作られてしまうのです。

     ここでのポイントは、「話術を身に付けるほど、人から好かれにくくなる」ということ。たとえば、書店に並ぶ“伝達本”や“雑談本”で話の組み立て方や興味を引くフレーズを学んでうまく話せたとしても、相手はあなたとの会話が楽しくないのです。

     伝達本や雑談本で学んだ話術を身に付けるだけでは、会話は成立しても、円満なコミュニケーションを築くことにつながるとは限りません。私の元を訪れる相談者さんが増えているように、これだけ伝達本や雑談本がヒットしても、世の中のコミュニケーションは活発化するどころか、ギクシャクしたものになっている気がします。


    2016年03月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP

    目力アップ♪

    疲れをほぐして、イキイキと!