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    生活

    コーヒー、スマホが原因? ガム売れ行き不振の「なぜ」

    メディア局編集部 田中昌義
     気分転換したい時や、眠気を覚ましたい時などに、つい口にしたくなるチューインガム。言わずと知れたお菓子の定番だが、国内ではガムの売れ行きが10年間で4割も減少しているという。なぜ、人々はガムをかまなくなってしまったのか。その背景には、ガムを追いやったとみられる意外なモノの存在が浮かび上がった――。

    小売金額、10年間で4割減

    • 日本に限らず、多くの先進国でガムの消費が減少しているという(写真はイメージです)
      日本に限らず、多くの先進国でガムの消費が減少しているという(写真はイメージです)

     「もっともっとガムロック、盛り上がっていくぞぉ~!」

     「皆さ~ん、ガムは好きですかぁ~!」

     人気アイドルグループ・HKT48のメンバーたちが曲の合間に客席へ向かって叫んだ。すると、詰めかけた大勢のファンから大歓声が湧き起こり、彼らの手に握られた無数のペンライトが、赤や青、緑などの光を放ちながら小刻みに揺れ続けた。

     東京・日本武道館で1月25日に開かれた「ガムロックフェス」。ロッテとソニー・ミュージックレーベルズが共催したイベントには、HKT48や乃木坂46などの女性アイドルグループをはじめ、「ガムを噛んでいるバンド」の触れ込みで活動中のロックバンド「Thinking Dogs」、さらには、人気プロレスラーの長州力さん、藤波辰爾さんらも“参戦”し、華やかで熱気あふれるステージを繰り広げた。

     ステージには、「キシリトール」「ブラック・ブラック」「フィッツ」など同社の主力商品をかたどったセットが数多く飾られ、ロッテのボトル入りガムを持参した観客にはグッズをプレゼントするなど、まさに「ガム一色」のイベントだった。

     ロッテは、チューインガムの国内シェア(市場占有率)が5割を超える最大手だ。同社がこうした大規模なPRイベントを仕掛けたのには、わけがある。国内のガム市場が、低迷を続けているからだ。

     全日本菓子協会の統計では、国内のチューインガムの小売金額は、2004年の1881億円をピークに減少し続け、2014年には1150億円まで落ち込んだ。10年間で約4割も減少したことになる。主な菓子類の小売金額を見ると、チョコレートは2014年が4860億円で10年前と比べて約20%増、スナック菓子は4218億円で10年前から約15%増となっており、ガムの不振が際立っている。

     「クロレッツ」などのガム商品を世界各国で販売している米モンデリーズ・インターナショナルの日本法人「モンデリーズ・ジャパン」によると、日本と同様、欧米などの先進国でもガムの消費は減少傾向にあるという。

    ガムが「思い浮かばない」消費者

     それではなぜ、ガムの消費が落ちているのか。

     国内シェア第2位のモンデリーズ・ジャパンは2012年、12歳から64歳までの男女約1600人を対象にアンケート調査を実施した。それによると、ガムを食べる頻度が減っている理由を聞いたところ、「健康・歯に関する懸念」と「製品へのニーズがない」がそれぞれ14%で最も多く、「環境的な問題(ゴミなど)」が13%、「まず思い浮かばない」11%、「ワクワクしない」11%といった結果になった。

     消費者の間で「ガムは歯によくない」といったイメージが根強いことや、かみ終えたガムがゴミになることに煩わしさを感じていることなどが調査結果からうかがえる。

     同社マーケティング本部は「他のお菓子の調査でも、『健康・歯に関する懸念』や『環境的な問題』は比率が高くなる傾向にあるが、ガムに特有なのは『製品へのニーズがない』『まず思い浮かばない』の比率が高いことだ」としている。つまり、消費者からみて、ガムの“存在感”が著しく低下しているのだ。


    2016年03月19日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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