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    生活

    100歳夫婦になるための「転婚」のススメ

    ノンフィクション作家 本岡典子
     100歳以上の「百寿者」が昨年、国内で6万人を突破した。大病もせず、長生きして大往生を遂げられたら、それは理想の人生だと誰しもが思うだろう。そのためにはどうすれば良いのか。夫婦そろって100歳前後という百寿夫婦を取材した本岡さんに、彼らに共通するしなやかな行動原理と壮年期の転身ぶりについて、寄稿してもらった。

    互いの命を延ばす「夫婦力」

    • 人生はまだまだこれから(写真はイメージ)
      人生はまだまだこれから(写真はイメージ)

     日本が世界一の長寿国となって20年余り、人口の4人に1人が65歳以上という高齢社会を迎えています。百寿者(100歳以上の人)は、この半世紀で300倍に増え、昨年は6万人を超えました。アラウンドハンドレッド(100歳前後)の「アラハン」が新たなキーワードとして注目されています。

     では、認知症や寝たきりにならず、元気に長生きするためにはどうすればよいのでしょう。健康なアラハンご長寿夫婦10組を取材する中で浮かび上がってきたのが、「転婚のススメ」という言葉です。

     長寿社会の到来は、夫婦で生きる時間が飛躍的に延びたことを意味します。

     子供たちが巣立った後、夫婦だけの長い時間を健康に生き抜くためには、中高年での「転婚」(結婚の仕切り直し)が必要で、アラハンご長寿夫婦は転婚に成功したカップルでもあったのです。

     取材をしたアラハンご長寿夫婦はそれぞれ壮年期に大きな転換や危機に遭遇し、それを機に新しい関係を再構築していました。

     たとえば、妻の大病をきっかけに、仕事中心の生活を60代で健康重視の生活にシフトさせた国会議員と料理研究家の夫婦。「仕事人間の夫」と「家庭を守る妻」の関係を50代で仕切り直し、「婦唱夫随」に生まれ変わったカップル。夫の定年後、専業主婦だった妻の主導で、信州に保養所と音楽堂を開き、多くの人と交流を始めた夫婦もいます。

     形やきっかけは様々ですが、壮年期の転婚に成功した夫婦の姿は、未知の「人生100年超え時代」を生きる現代の壮年期カップルのロールモデルになり得ると感じました。

     ストレスが命を縮める大きな要因であることは知られています。ストレスの多い夫婦関係は寿命を縮めますし、人生の後半、ストレスフリーな関係を再構築できた夫婦は互いの命を延ばす「夫婦力」を身に付けることができるのです。明るく前向きな気持ちで生きることは、禁煙と同じくらい健康寿命を延ばす可能性があるのです。

     百寿者になるための運動法のほか、自分の歯を維持する方法、食事方法などについて専門家に聞いた内容は前述した拙著に譲るとして、ここでは夫婦のありかたについて、もう少し掘り下げてみたいと思います。

     「人生100年超え時代」を健康に生き抜くためには、夫婦は何度でも生まれ変わらなければなりません。誰かが誰かのために犠牲になるという依存的な関係ではなく、互いの人生を支え合う関係への変革が強く求められます。


     

     

    2016年03月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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