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    生活

    人生最後の挑戦が招く「登山前遭難」とは

    ミウラドルフィンズ健康運動指導士 安藤真由子
     ここ数年、空前の登山ブームが続いている。富士山や八ケ岳などの名峰は登山渋滞が起きるのも珍しくない。新たに登山に挑戦しようという中高年も多いが、計画時点ですでに危険な状態に陥っている「登山前遭難」なる言葉もある。80歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎氏のチームスタッフ安藤真由子さんに、登山ブームに潜む危険性と対策を寄稿してもらった。

    山岳部、百名山、そして山の日

    • 北アルプス(2015年、安藤さん提供)
      北アルプス(2015年、安藤さん提供)

     日本には縄文時代の昔から“登山”の文化はあったといわれています。戦後すぐに大学山岳部が続々と創部され、第1次登山ブームが起きました。1990年代のフィットネスブームに加え、「日本百名山」が中高年に話題となった第2次登山ブーム。最近は“山ガール”というファッションで若い女性にも普及しています。

     日本生産性本部の「レジャー白書」によると、2003年~08年まで年間600万人前後だった登山者数は、09年に1230万人に増加しました。

     その後、震災などの影響で減少しましたが、最近でも850万人ほどの登山者がいると言われています。今年から「山の日」が8月11日制定されることで、登山熱はさらに高まっていくと思われます。若い登山者も増加していますが、中高年に特に人気があり、60歳代の愛好家は突出しています。

    登山者の7割が体に異常を感じている

    • 「登山白書2015」(山と渓谷社)より
      「登山白書2015」(山と渓谷社)より

     登山人口の増加とともに、毎年報道されるのが遭難などの事故です。「過去最高」が毎年更新されるように、遭難事故は増え続けています。そして、年代別で見ると、全遭難者の50.1%が60歳以上であることがわかっています。なぜそういうことが起きるのでしょうか?

     鹿屋体育大学の山本正嘉教授が行った中高年登山者の実態調査によると、「登山中に体に感じるトラブルや疲労」について、膝の痛みや異変、息切れ、腰痛など体に様々な不安を感じています。一方、「登山中に何も問題を感じない」という人は3割程度にとどまっています。遭難事故が起こる原因は、登山者自身の体力不足や、自身の体力以上にハードな山の選択などが考えられます。

    2016年04月05日 08時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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