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    芸能

    NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」のモデルとは?

    「暮しの手帖」元編集部員 唐澤平吉
     NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が4日、始まった。戦後を代表する家庭雑誌「暮しの手帖」を創刊した大橋 鎭子 ( しずこ ) さんの半生を描く。戦中戦後をたくましく生きた女性社長とは、どんな人物だったのか。大橋さんのもとで、「暮しの手帖」の編集に携わった唐澤平吉さん(67)に、当時の知られざるエピソードと朝ドラへの期待について寄稿してもらった。

    皇后さまが信頼をよせた女性

    • 「とと姉ちゃん」のワンシーン(NHK提供)
      「とと姉ちゃん」のワンシーン(NHK提供)

     平成25年(2013年)10月20日のことです。誕生日を迎えられた皇后さまは、まいとし恒例の記者団からの質問にこたえ、一年の月日をふりかえられて、おことばを述べられました。その中でつよい印象をおぼえたのは、五日市郷土館(東京都あきる野市)でごらんになられた「五日市憲法草案」についての皇后さまの深い思いと、つぎの追悼のおことばでした。

     

     この1年も多くの親しい方たちが亡くなりました。阪神淡路大震災の時の日本看護協会会長・見藤隆子さん、暮しの手帖を創刊された大橋鎭子さん、日本における女性の人権の尊重を新憲法に反映させたベアテ・ゴードンさん、映像の世界で大きな貢献をされた高野悦子さん等、私の少し前を歩いておられた方々を失い、改めてその御生涯と、生き抜かれた時代を思っています。(宮内庁ホームページ「おことば・記者会見」より引用)

     

     皇太子妃として皇室にとつがれて以来、皇后さまは大橋さんと親しくおつき合いをされていました。皇后さまは「大橋鎭子さんお別れの会」にもご出席され、みずから祭壇にお花を(ささ)げられています。皇后さまは、半世紀以上の長きにわたり、『暮しの手帖』を毎号愛読していらっしゃいます。

    広告をのせないユニークな家庭誌

     『暮しの手帖』----それは昭和23年、大橋鎭子さん(1920-2013)が、花森安治(1911-1978)という希有(けう)の才能をもった編集者の協力をえて創刊した、他に類をみないユニークな家庭誌です。一般商業誌でありながら他社の広告をいっさいのせていません。この編集方針は、創刊から70年近くをへた今も、がんこに守り続けています。

     『暮しの手帖』が、当初から広告をのせない理由が二つありました。

     一つは、編集長花森の卓越した美意識とデザイン技術によって、雑誌まるごとが調和のとれたポリシーのもとに制作されているためです。そこに宣伝のための感性や考え方のちがうさまざまな広告が入ると、デザインの統一がそこなわれ、雑誌にたくした清潔感までもが失われる、と考えていました。

     二つめは、『暮しの手帖』は昭和29年から商品テストを始めましたが、広告をのせないことで、広告主の思惑や意向をそんたくせずに、テスト結果と編集者の評価を、筆を曲げることなく公表できるからでした。とはいえ、一般商業誌が広告をとらず、しかも多大な労力と経費を要する商品テストを続けるのは、なみたいていの苦労ではありませんでした。

    2016年04月04日 12時24分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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