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    生活

    友人だからだまされる SNSのアブナイ落とし穴

    メディア局編集部 田中昌義
     広く普及したスマートフォンのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がきっかけで、マルチ商法に勧誘されたり、高額商品の代金支払いを請求されたりといった消費者トラブルが増加の一途をたどっている。SNSの使い方に慣れていない人がトラブルに巻き込まれるケースが目立つが、SNSはもともと「友人だから断り切れない」という人間心理につけ込みやすい環境下にある。SNS上のトラブルはどうすれば防げるのか。対処法を探った。

    相談件数、6年で3.5倍に

     国民生活センターによると、2015年度中に同センターに寄せられたインターネット上のSNSを巡るトラブルの相談件数は8816件。前年度より17%増加し、同センターが集計を始めた09年度(2518件)の約3.5倍に達している。

     SNSを巡る消費者トラブルは、大きく2パターンに分類される。

     一つ目のパターンが、SNSでの知人とのやりとりがきっかけでトラブルが発生するものだ。

     同センターによると、ある20代の女性はSNSを通じて同級生から連絡があり、久しぶりに会うことになった。同級生に「化粧品関連の会社で働いている。オフィスに同行してほしい」と頼まれ、オフィスに赴いた。すると、同級生ともう1人の社員から「化粧品販売のネットワークビジネス」に誘われ、「口コミで広めればマージンが入る」などと説明された。

     女性は断ったものの、同級生の手前もあって、そのままでは帰りづらい雰囲気になってしまった。仕方なく、契約書を書いて登録料4000円を支払う約束をさせられた。

     別の30代女性は、SNSで知らない男性から「友達になってほしい」の申請があり、承認した。その後、“友達になった”男性から「会社の携帯電話を使ってSNSを利用していたが、携帯が回収されることになった。今後も別の方法で連絡をとりたい」というメッセージが来て、やむを得ず、男性が指定したサイトに登録した。ところが、後でそれが出会い系サイトだと判明したうえ、男性から入会費など計2万8000円を要求されたという。

     これらは2例とも、同センターに寄せられた相談内容だ。

    心理的つながり深まりやすく

     SNSでは、元からの知り合いはもちろんのこと、新たに知り合った人とも心理的なつながりが深まりやすくなる特徴がある。SNSがきっかけで誘いを受けるようになっても、あまり抵抗感を抱かないケースも少なくない。SNSではやりとりしたくない相手をブロックすることもできるが、親しい間柄であればあるほど、ブロックしづらい。そんな利用者の心理につけ込んだ手口といえる。

     友人・知人を仲介者に使ったマルチ商法は昔からあったが、人間関係のしがらみがネットワーク化されたSNSでは、より容易に人をだますことができる。

     ネットビジネス・アナリストの横田秀珠(しゅうりん)さん(長岡造形大学講師)は「従来のネットワークビジネスやマルチ商法は、まずは出会いのきっかけを作って、実際に何度か会い、仲良くなった後に『実はね……』と誘いを持ちかけてくるパターンが多い。ところが、SNSを利用すれば、たった1回しか会ったことのない人でも、コメントを書き込んだり、『いいね!』を押したりしているうちに、仲良くなったような気になってしまう。誘う側からすれば、SNSを使えばお金も手間もかからないし、一度に大勢の人にアプローチすることもできる」と話す。


    2016年04月15日 14時54分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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