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    生活

    片づかない実家(上)開けてびっくり迷惑資産?!

    実家片づけアドバイザー 渡部亜矢
     全国各地で問題となっている「空き家」や「ゴミ屋敷」。古い実家が気になってはいるが、「そのうちに」と先延ばしにしている間に、実家の危険度はどんどん上がっていく。実家をゴミ屋敷や迷惑資産としないための対処法はあるのだろうか? 実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さんに寄稿してもらった。

    実家の片づけは初めて体験する「社会問題」

    • 「そのうちに」なんて思っていると実家が危険状態に……(渡部さん提供)
      「そのうちに」なんて思っていると実家が危険状態に……(渡部さん提供)

     あなたはもう「実家の片づけ」を体験しましたか?

     今や「帰る実家がある」「実家を相続した」と言ったら、「たいへんだね」というのが、忙しい子世代の合言葉です。実家がいつも自分を迎えてくれる“いやしの場”であり、値上がりが期待できる「資産」などというのはほとんどの場合、ノスタルジーにすぎないのです。

     実家の片づけは、核家族化が進んだ少子高齢社会のなかで、親の介護や終活と並行して訪れる人生の一大テーマとなっているのです。

     そして、それは仕事や家事で忙しい、親と離れて暮らす40~50歳代の子世代に降りかかってくるのです。

     仕事や生活の基盤が都会にできていると、簡単に実家に帰ることもできません。ゴミの処理費用ばかりか、交通費もかかるし、休みをとるのだって大変です。ちょっとしたことで、ワーク・ライフ・バランスが崩れてしまいます。

    1人で2軒、3軒片づけるのが当たり前

     70歳以上の方の持ち家率は、およそ8割を超えていると言われています(2013年、住宅・土地統計調査)。おおざっぱに言うと、持ち家があり、実家から離れて暮らしている子世代は、将来2軒の家を片づけることになります。

     一人っ子同士が結婚した夫婦は、4人の老親の介護にプラスして、自分の家を含めて3軒の家を片づける可能性があります。

     ライフスタイルも変わり、独身者も増えています。生涯未婚率は、2020年に男性で約26%、女性で約17%、30年には男性で約30%、女性で約23%になる見通しです(総務省統計局「国勢調査」及び国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」「人口統計資料集(2009年版)」)。

     自分の両親と義理の両親だけでなく、祖父母や、身寄りのない叔父・叔母の家の片づけや介護をしている人もいます。つまり、今や1人で2軒、3軒の家を片づけるのが当たり前の時代になってきているのです。

    先に延ばせば空き家問題に

     それでは、片づかない実家はどうすれば良いのでしょう。

     全国平均で7軒に1軒と言われる空き家問題です。売りたくても売れず、空き家となって放置され、知らず知らずのうちに近隣に迷惑をかけていることもあります。施設入所や入院で人が時々しか帰ってこない家、一人暮らしの高齢者の親だけが住む「空き家予備軍」を含めれば、その数はさらに増えます。

     25年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になります。これが、人類が経験したことのない「超・超高齢社会」という「2025年問題」です。

     さらに、33年には、空き家率は30%を超え、空き家数は2100万戸を超えるという試算もあります(野村総合研究所など)。空き家につながる片づかない実家は、もはや他人事ではありません。

     いずれにしても、相続というのが、物だけでなく、物に付随した親の思いを受け止めることだととらえ、親が元気なうちに話し合い、実家を片づけておくことがキーポイントとなります。

    2016年04月26日 07時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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