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    生活

    突然の空き家相続…どうする「負の遺産」

    不動産コンサルタント 長嶋修
     人口減少が続く日本で、空き家は今後も増え続けることが予想されます。2015年5月には「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策法)」が全面施行され、空き家を放っておいた場合、所有者が責任を負うことも。親が亡くなり空き家となった実家を相続した時、どう対応するのがベストなのでしょうか。不動産コンサルタントの長嶋修さんに解説してもらいました。

    「空き家対策法」の効果は

    • 総務省「平成25年住宅・土地統計調査」より
      総務省「平成25年住宅・土地統計調査」より

     全国の空き家は2013年時点で820万戸です。「空き家率」、つまり総住宅数に占める割合が13.5%と過去最高を更新したのは多くの方がご存じでしょう。総務省の「住宅・土地統計調査」は5年ごとに公表されていますが、人口・世帯数減の中で、このままいけば全国の空き家は20年に900万戸、23年には1000万戸といったペースで増加する見通しです。

     こうした事態を受けて、15年5月、いわゆる「空き家対策法」が全面施行されました。防犯、景観、衛生などの観点から危険や害があると判断されると、その家屋は「特定空き家」に認定されます。

     「特定空き家」は、固定資産課税台帳を参照するなどして、所有者名義を特定できます。また、空き家への立ち入り調査も行えるほか、修繕や撤去を命令、さらに行政代執行で建物を解体、その費用を所有者に請求できるとしています。同様に税制改正では、こうした空き家について固定資産税の軽減措置を見直す、つまり増税するとしています。

     しかし、一見ドラスチックにみえるこうした方策も、効果のほどは限定的であるというのが大方の見解です。というのも、まずこの法律は前述したような、様々な意味で危険とみなされた「特定空き家」にのみ適用されるものだからです。

     さらに、行政代執行で空き家を壊したとしても、その解体費を所有者から回収できるのかといった問題もあります。秋田県大仙市では、国の法施行に先駆けて独自に条例を定め、空き家をこれまでおよそ600万円分取り壊してきましたが、これまで回収できたのはわずか3万円にすぎません。こうなると、「特定空き家」は事実上「税金を使って壊す」ということになり、過度に空き家が増大した自治体の財政を圧迫しかねないのです。

    2016年04月28日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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