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    医療保険はムダ?「入っていて助かった」の誤解

    ファイナンシャル・プランナー 長尾義弘
     思わぬけがや病気に見舞われて入院や手術という事態はだれにでも起き得るリスクだ。身体のダメージに加え、経済的な負担まで大きければ、身も心もボロボロということになりかねない。万が一のための「安心」、いざというときの「備え」、もしもの「お守り」――。そんなうたい文句で加入を促す保険パンフレットも多い。でも、医療保険は本当に必要だろうか。ファイナンシャル・プランナーで辛口保険評論家の長尾義弘氏が、パンフレットに書かれている数字や言葉の真意を読み解く。

    医療保険は本当に必要か?

    • けがや急病で入院なんてことも…?
      けがや急病で入院なんてことも…?

     「入院の平均日数は約30日」

     医療保険のパンフレットを見ると、その説明の中に「入院の平均日数は約30日」というのがあります。これは、厚生労働省の資料に基づいている数字です。

     同じ厚労省の資料に中に、4日以内に退院する人は33.3%、7日以内に退院する人は48.7%という数字もあります。つまり、入院患者の約半数は、1週間以内に退院をするということです。

     もし、入院日額5000円の医療保険に入っていた場合、入院7日間で3万5000円を受け取ることができます。手術をしたら、手術給付金が出るので、受け取る金額はさらに増えるはずです。

     しかし、入院をしたからといって、必ず手術をするとは限りません。入院をしたけれど、手術をしないケースは約7割に上ります。

     ということは、入院患者の多くは1週間以内に退院をして3万5000円の給付金を受け取るケースがほとんどということです。

     これに対して、保険料はと言うと、40歳の男性で通販型の医療保険の場合、月額保険料が仮に2000円だとすると、1年半の保険料は3万6000円になります(月額保険料2000円×18か月)。そうすると1週間ぐらいの入院では、1年半の保険料と同額ということです。

    2週間に満たない入院がほとんど

     別のデータを見てみましょう。

     入院の平均日数は65歳以上で45日。これに対し、30~40歳の平均の入院日数は14.3日。2週間に満たないケースがほとんどと考えられます。

     つまり若い人の入院は短期間が多く、高齢になればどうしても入院日数が長くなります。当然、医療保険の保険料も年齢とともに上がります。ちなみに60歳男性の月額保険料は4500円ぐらいになります。

     「保険料を多く払っているのに入院をしても、ほんの少ししか給付金が出ない!」

     若い人からはこうした不服が出やすいわけです。ですから、こうした不満解消を狙ったユニークな医療保険も発売されています。入院をすると日数にかかわらず、入院1回に付き、一定の給付金(20万円)が支払われるという医療保険です。一律給付の方が短期入院の場合は絶対にお得です。

     とはいえ、20万円でしたら、わざわざ保険で備えるより、いざという時に使える20万円ぐらいの貯蓄があったほうがいいと思います。

    治療は大きなリスクではない

     実際の入院例を紹介しましょう。

     私は昨年暮れ、偏平足の手術で2週間の入院をしました。足の筋の移植と外反の矯正でかかった費用はすべて合わせて14万3720円でした。

     「2週間で14万円以上!やっぱり医療保険に入らなきゃ」

     ちょっと待ってください。慌てて保険に入ろうと考える前に医療費の内訳を確認してみましょう。

     実際にかかった医療費の総額は114万円です。健康保険が使えますから患者に請求されるのは3割の34万2000円。ですが、さらに所得に応じて多額の医療費がかかったときに負担を軽減してくれる「高額療養費制度」があるため、結局、一般的な所得のサラリーマンなら医療費は月に9万円以上はかかりません。この9万円に差額ベッド代とか食費などがかかり、あわせて14万3720円になったのです。

     入院・治療の費用というのは実は、大きなリスクではありません。

     入院の平均的な費用は1日1万円くらい。大半の人が1週間の入院ということを考えれば、保険でまかなおうと保険料を毎月支払うよりも、そのお金を貯蓄に回したほうがいいわけです。貯金したお金なら、保険よりもずっと使い勝手がいいわけですから。

     さて、次は死因の半数を占める「三大疾病」について考えてみましょう。

    2016年05月28日 07時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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