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    政治

    広島、長崎 原爆投下後の動画 ロシアに政治的意図は?

    広島テレビ 三山秀昭
     広島、長崎の原爆資料館は4日、原爆投下後に旧ソ連の調査団が撮影した広島、長崎両市の映像を公開した。今年6月にロシアの国会議員から政府に提供されたもので、廃虚となった街の様子がわかる貴重な資料となっている。ロシアがこのタイミングで、原爆被害の映像を公開した意図は何なのか。元読売新聞政治部長で、広島テレビ放送社長の三山秀昭氏がポイントを指摘する。

    「政治日程」を控えたタイミング

    • 安倍首相との会談のために首相官邸に入るロシアのナルイシキン下院議長(首相官邸で、6月16日撮影)
      安倍首相との会談のために首相官邸に入るロシアのナルイシキン下院議長(首相官邸で、6月16日撮影)

     8月6日、9日の広島、長崎の原爆の日を前に、広島、長崎原爆資料館は4日、ロシア政府から提供された被爆後の両市内の廃墟化した惨状を撮影した動画(モノクロ、約5分)を公表した。

     これは6月に日本を訪問したロシアのセルゲイ・ナルイシキン下院議長(プーチン大統領の側近で、ロシアナンバー3)が安倍首相と会談した際、贈呈したもので、それが日本政府を通じて広島、長崎原爆資料館に寄贈された。旧ソ連の駐日大使館員を中心とする軍事調査団がアメリカによる原爆投下(1945年8月6日、9日)の後の9月中旬から11月にかけて撮影したものとみられ、旧ソ連が撮影した原爆被害の映像が公表されるのは初めて。9月のウラジオストクでの日ロ首脳会談や、年内にも予定されるプーチン大統領の訪日による再度の首脳会談を控え、ロシア側がどういう意図で、日本側に提供したのか、注目される。

     ナルイシキン下院議長はオバマ米大統領の歴史的広島訪問(5月27日)の後を追うように、6月16日から日本を訪問した。それに先立ち、読売新聞の緒方賢一モスクワ支局長の単独インタビューに応じた。その中で議長は日ロ関係全般について語ったが、戦後のソ連による日本人抑留について、「1991年(ゴルバチョフ書記長=当時=の訪日時)に結ばれた両国の政府間協定は公文書館での協力を制限していない。日本の専門家はロシアの公文書館にあるどんな資料も照会できる」と語った。

     また、原爆や被爆地訪問に関しては「(今回は残念ながら無理だが)今後必ず広島を訪問する。(議長が会長を務める)ロシア歴史協会は、原爆投下直後に広島、長崎に入ったソ連大使館員の報告を公開した。原爆の資料を見つけたら日本に提供し、公開もする」とも語った。これは一般にはあまり注目されなかったが、日ロ関係の専門家や、広島、長崎の関係者の間では強い関心がもたれた。

     その後、大使館からの「報告」はサイト上に公開されたが被爆後の映像は公開されず、議長が6月16日に安倍首相と会談した際に贈呈され、このほど日本政府が内容を吟味したうえで、両市の原爆資料館で公開された。

    2016年08月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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