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    クルマ相乗り「ライドシェア」の普及を阻む壁

    佃モビリティ総研代表 佃義夫
     スマートフォンを活用したクルマの「ライドシェア(相乗り)」サービスが世界的に普及し始めている。一般のドライバーと、乗車を希望する人をインターネットで結び付け、ドライバーが料金を取って自家用車で利用者を送迎する仕組みだ。日本でも今年5月から京都府京丹後市で同サービスが導入され、利用者には好評だという。しかし、日本でライドシェアを普及させるには、一筋縄ではいかない事情があるようだ。長年、自動車業界の取材を続けている佃モビリティ総研代表の佃義夫氏が、ライドシェアの実情や普及への課題などについて解説する。

    経済新成長戦略の一環として注目

     「ライドシェア」とは、その名のごとくクルマに相乗り(シェア)することである。従来はあまり聞き慣れない言葉だったが、このところ急速に話題に上り始めた。

     所有から利用へ。今や若者世代を中心に「シェアする」が流行(はやり)言葉となっている。その先端をいくものの一つが、個室を持ちながら他人と台所や浴室などを共有して暮らす「シェアハウス」だろう。

    • 大都市部などではカーシェアリングが定着しつつある
      大都市部などではカーシェアリングが定着しつつある

     自動車の分野では、1台のクルマを複数の人が利用する「カーシェアリング」がある。すでに大都市部に住む若者などの間では、レンタカー会社などが運営するカーシェアリングサービスの会員が増え続けるなど、一般に定着しつつある。ライドシェアは、これをさらに進めて、自家用車を持つ一般ドライバーをスマホで呼び、クルマの相乗りに利用するというものだ。

     安倍政権は経済新成長戦略の一環として、「シェアリング・エコノミー(提供者が所有するモノ、サービスを利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組み)」の推進を掲げている。その一つとして、ライドシェアが注目されてきたのだ。

     ライドシェアビジネスは、米国シリコンバレーのベンチャー企業「ウーバー(Uber)・テクノロジーズ」から生まれた。2009年に創業した同社は、翌年にライドシェアビジネスを開始し、瞬く間に米国全土、そして欧州などに事業を広げていった。現在はウーバーのほかにも、米国のリフト(Lyft)などのライドシェア業者が事業を拡大している。ウーバーは「現在、世界約70か国、450以上の都市で毎月、計1億回ほどの乗用車がウーバーのプラットフォーム上で利用されている」と説明する。

     同社は12年、日本に進出し、「ウーバー・ジャパン」としてスマホアプリでタクシーやハイヤーを配車するサービスを展開している。だが、ライドシェアについては昨年2月、日本で実験を開始しながら、国土交通省から道路運送法違反との指摘を受けて中止した経緯がある。ライドシェアは、いわゆる「白タク(自家用車を使い、無許可でタクシー営業をする違法タクシーのこと。タクシーは緑地のナンバープレートに対し、自家用車は白地であることからこう呼ばれる)」行為に当たり、法律違反だというのである。

    2016年08月12日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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