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    「また佐賀県か!」 目立たない県のド派手なPR戦略

    佐賀県職員 「サガプライズ!」プロジェクトリーダー 金子暖

     ブランド総合研究所(東京)が発表している「47都道府県魅力度ランキング」(2015年9月)で46位と、あまり目立たない印象のある佐賀県が、人気アニメ「おそ松さん」とのコラボイベントをはじめ、任天堂やゼクシィなどさまざまな企業と手を組み、県のPRに力を入れている。そのねらいは何なのか。異色PR戦略を次々と展開する県の事業「サガプライズ!」のプロジェクトリーダーが解説する。

    おそ「松」さんと「松原」。ただそれだけ

    • イベント初日、六つ子の着ぐるみがステージに登場
      イベント初日、六つ子の着ぐるみがステージに登場

     7月下旬の平日、佐賀県北部の唐津市に、女性を中心に多くの観光客が集まった。その数約1300人。彼女たちの目的は、佐賀県が人気アニメ「おそ松さん」とコラボレーションしたイベント「さが松り~佐賀も最高!!!!!!~」だ。唐津市には松林「虹の松原」をはじめ、銘菓の松露饅頭(まんじゅう)や松原おこしなど、「松」の名がつく県産品や場所が多い。その「松」と、おそ松さんの「松」つながりで実現した企画だ。

     「おそ松さん」は、赤塚不二夫さん原作の「おそ松くん」に登場する松野家の六つ子が大人に成長したという設定で、2015年10月から16年3月まで放送されたアニメ。「甘えん坊」「キザ」などのキャラクターの個性が話題となり、若い女性を中心に絶大な人気を集めている。

     今回の企画では、佐賀牛や呼子のイカなど、佐賀の名物の(かぶ)り物を六つ子が身にまとい、町中のいたるところに登場した。佐賀牛やからつバーガーなどのコラボメニューや、松露饅頭などのご当地商品に六つ子がプリントされた限定商品を販売したほか、唐津城や虹の松原をめぐるスタンプラリーを開催した。移動手段はオリジナルのラッピングバスという力の入れようだ。

     夏休み期間中ということもあり、開催から4週間で1万7000人が訪れ、唐津市は大いに盛り上がった。東京や大阪など全国各地から足を運び、「佐賀県どころか九州も初めて!」という人たちもいたという。コラボ商品を展開するお店の担当者も、「普段は訪れる観光客は年齢層が高く、若者が唐津に来るだけでありがたい」と話す。

    • 若い女性を中心に、ファンが長蛇の列を作った
      若い女性を中心に、ファンが長蛇の列を作った

     火付け役は、佐賀県の情報発信事業「サガプライズ!」。県内外の企業やブランドとコラボし、話題を生み出して佐賀県をアピールする事業だ。

     全国の自治体の魅力度を「地域ブランド」として、順位付けを行っている「ブランド総合研究所」が発表した「47都道府県魅力度ランキング」では、佐賀県は46位に終わっている。佐賀牛や呼子のイカ、有田焼など魅力ある観光資源や特産品に恵まれていながらも、全国的にはあまり知られていない県だ。

     全国の地方自治体の例にもれず、佐賀県も人口減少や高齢化が止まらない。5年ごとに行われる国勢調査では、00年から4回連続で人口が減少しており、65歳以上が総人口に占める割合は10年時点で24.5%と、深刻な状況にある。佐賀県はUターンやIターンを希望する人を積極的に採用したり、近隣の大都市からの移住を促進したりと、地方創生に力を入れている。

     ただ、佐賀県の地方創生はそれだけではない。サガプライズ!が行う、他県が考え付かない「異色のコラボ」の力で、県を積極的にPRする新しい地方創生に取り組んでいる。

    2016年08月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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