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    政治

    民進党は野党共闘で社会党の歩みをたどるのか

    小山高専・日本大学非常勤講師 岡田一郎
     岡田代表の任期満了に伴い、9月15日に投開票される民進党代表選。新代表が選択を迫られるのが、野党共闘のあり方だ。岡田氏が選んだ共産党などとの共闘路線を新代表が引き継ぐのか、改めるのか。かつての野党第一党・社会党が凋落した経緯もあり、その決断は民進党の今後をも左右しかねない。日本政治史が専門の研究者・岡田一郎氏に解説してもらった。

    新代表を待つ難題

    • 民進代表選に出馬する玉木雄一郎氏(左)、前原誠司氏(中)、蓮舫氏
      民進代表選に出馬する玉木雄一郎氏(左)、前原誠司氏(中)、蓮舫氏

     民進党代表選が9月2日に告示され、蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国会対策副委員長の3人が立候補を届け出た。

     下馬評では、自身が属する保守系派閥の野田佳彦派に加え、連合系議員からも支持を集め、国民的人気のある蓮舫氏が有利に戦いを進めると見られている。しかし、前原氏は雑誌『世界』(2016年9月号)に掲載された財政社会学者の井手英策氏との対談で「我われが目指す内政の基本的な考え方は社会民主主義だ」と発言するなど必死に左派にも支持を広げようとしている。また玉木氏も若手議員などに浸透をはかっており、15日に投開票される代表選の行方は予断を許さない。

     そして、誰が新代表に就任したとしても、必ず直面するのが、野党共闘問題である。

     今年7月の参院選で民進党は、共産党など他の野党と1人区で統一候補を擁立し、32の1人区のうち11選挙区で勝利をおさめた。前回の参院選では、31の1人区で野党系候補が勝利したのはわずか一つだけだったから、野党共闘は一定の成果をあげたと民進党内では評価されている。

    • 今年5月、共産党の演説会に参加した杉尾秀哉氏(右)。7月の参院選・長野選挙区に民進から共産・社民推薦で出馬し当選した(左は市田忠義・共産党副委員長)
      今年5月、共産党の演説会に参加した杉尾秀哉氏(右)。7月の参院選・長野選挙区に民進から共産・社民推薦で出馬し当選した(左は市田忠義・共産党副委員長)

     しかし、民進党内には共産党に対してアレルギーを持つ議員も少なくなく、彼らは野党共闘の見直し、すなわち他の野党と協力せず、自民党に飽き足らない保守層の票を開拓して、自力で党勢拡大を狙う路線を主張している。

     新代表はどちらの声を採用するのか、選択を迫られることになる。前者を選べば、共産党にどこまで譲歩出来るのか。さらには共産党と連立政権樹立をめざすのか。厳しい交渉が待ち構えているうえに、共産党アレルギーを持つ議員が離反するリスクを抱えることになる。後者を選べば、政権批判票を共産党と奪い合って共倒れし、与党を利することとなる。民主党政権の苦い記憶がまだ残っているうちは、その流れを()む民進党が一気に支持を拡大させていくとも考えにくい。

    2016年09月14日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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