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    思い通りの葬儀ができる?…「生前契約」の落とし穴

    第一生命経済研究所主席研究員 小谷みどり
     「終活」がブームになっていることもあって、自らが思い描く理想の葬儀をしたいという人が増えている。実現するための策の一つが葬儀の生前契約だ。子どもに負担をかけず、自分の望む葬儀を準備できるメリットがある一方で、トラブルも起きているという。自分の葬儀を思い通りに執り行うためには、どのようなことに気をつける必要があるのか。葬儀に詳しい第一生命経済研究所の小谷みどり主席研究員に解説してもらった。

    葬儀の生前契約とは

    • 自分の葬儀は自分で決めたい人も多い(写真はイメージ)
      自分の葬儀は自分で決めたい人も多い(写真はイメージ)

     自分の葬儀について元気なうちに考えておくことは、もはや珍しくなくなった。葬儀会社を前もって決めたり、費用の見積もりを取ったりするだけでなく、子どもや親戚に手間をかけないよう契約まで済ませておきたいと考える人もいる。これを「葬儀の生前契約」と呼ぶ。

     東京都が1997年に発行したハンドブックでは、(1)葬儀の内容を詳細に決める(2)費用の支払い方法を明確に定める(3)それらを記述して生前に契約書を取り結ぶ――の3条件がそろった場合としている。

     この契約がほかの商品やサービスの契約と異なるのは、ちゃんと履行されたかどうかを存命中に本人が確認するすべはないという点だ。また、死が訪れる日がいつなのかが分からないという意味で、履行時期が不確定な契約でもある。

     近所の葬祭業者と生前契約したものの、契約者が亡くなったときにはすでに倒産していたとか、要介護になって子どもの近くに引っ越したため、契約業者が遠くなり、利用できなかったといった事例もある。多くの友人や親戚に参列してもらうつもりで参列者数を想定しても、相当な高齢で亡くなったため、参列者が数人しかいなかったというケースもある。

     筆者の知人の男性は、子どもの頃から病弱で、長生きはしないと思い込んでいた。子どももおらず、1人残される妻に手間をかけないよう、10年ほど前に葬儀の生前契約をした。ところがその後、妻にも3人の兄弟にも先立たれ、存命する友人もほとんどいない。男性は今年90歳。「自分の葬儀に参列してくれる妻も身内ももういない。葬儀せず、火葬のみでいい」と話している。生前契約は、近いうちに解約するつもりだという。

    2016年09月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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